発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

再び『FACTFULNESS』と新型コロナにまつわるエトセトラとゴー宣道場

2020年10月19日 | 日記
◆「不謹慎だが順当にいくと」
 私にとっては、新型コロナは気をつけたい感染症だが、それ以上のものではない。他の病気と並列している。
 割り算をしてみよう。「不謹慎だが順当にいくと」という文言はこのさい省略する。
 日本人の年間死者は約138万人。365で割ると、毎日日本では3770~3780人亡くなる。新型コロナで今日は〇人亡くなったと報道されている。今日までに亡くなった人の累計は1676人で、どの日数で割ればいいのか3月半ばまではあまり感染した人もいなかったみたいだし半年約180日で割ってみると1日に亡くなる人は10人未満平均。亡くなる人の1%にも満たない死因である。しかも、既往症や年齢について考慮されていない多めの数字での死者数である。
 福岡県民で感染したことのある人はいまのところ5000人、ということは、1000人にひとりだ。知り合いが誰も罹っていない、という人も多かろう。
 怖い病気なのかもしれないが、もっと気をつけなければならない病気はほかにあるんじゃないのか。新型コロナのせいで他の病気の発見が遅れたり手厚い治療ができなかったりするほうが怖い。
 2019年の日本の自死者は20,000人を少し割った数だ。1日約54人。今年はどうなるのか。

◆バナナを洗って食べてますか?
 みんなが頑張って、マスクしたり、自粛したりしたからこの程度で済んでいるのかもしれない。確かにお店の中で、ほとんどの人がマスクをしている。でも、新型コロナは飛沫よりむしろ接触感染といわれているが、例えばスーパーマーケットで野菜や果物を品定めするのに、ほとんどの人が、今だって、さわり放題である。
 ブドウは大概の人が洗って食べる。リンゴや柿を剥く前に洗う人は何割だろう。アボカドやキウイを洗って剥く人はどのくらいか。ミカンやバナナの外側を洗ってから食べる人は殆どいないのではないか?
 店を出るときにアルコールポンプを省略している人は、アボカドキウイミカンバナナは洗わないのではないか。
 洗えと言っているのではなく、その程度でこんなに感染者が少ないのだ。
 一人感染者が出ただけで全校休校になったり事業所を閉鎖したりするほどのものだろうか? リスク計算は正しくなされているのか?
 そう考えたとき、ほんとうに『FACTFULNESS』はベストセラーになったのだろうか?と思う。データが正しく読まれていない。そう思うのだ。

◆ゴー宣道場「『コロナ論』が炙りだしたもの」
 で、小林よしのり氏が主宰する「ゴー宣道場」が、新型コロナと日本人をテーマに福岡で開催されるということで行ってみた。最新の著書『コロナ論』では、新型コロナの指定伝染病を外してコロナの例外扱いをやめ、経済を回せと主張する。
 以前行ったときは立錐の余地のないくらいの立ち席ライブコンサートが開かれていたホールである。通常ならば椅子席で400入る会場に、200の椅子。
 漫画家にして、現代を代表する論客の小林氏である。どんなところなのか、熱烈な読者以外は居心地のわるい場所だといやだな、と、3%くらいの不安もあったが、杞憂。小林氏、そして基調講演に九大の施光恒教授、そのあとパネリスト、それから聴衆との質疑応答と、普通のシンポジウムである。パワーポイントのプリントアウト資料は、時々行ってた地元FM局の単発ビジネススクールのノリである。やー、楽しかったなあ。今年はあれこれごっそり中止で久々のイベントだったから。

 と、思い出に浸ってる場合ではない。
 
 データを冷静に読めばコロナは終わるのではないか。指定伝染病から外さないといつまでも続くのではないか。新型コロナに関しては、夏の前にメンタルをやられない決意をした。決めることは役に立った。あと自分に何ができるのか。ワクチンや特効薬を待ってはいられない。
 


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