発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

いとしの冷やし中華

2016年08月10日 | グルメ

 そうこうしているうちに、夏休みが半分終わった。休みでもなんでもないわけだが。月前半は風邪に喉をやられた。咳は、筋力弛緩剤入り市販薬で止めたものの、未だにややハスキーボイスである。元気なんだけど。「あつがなついぜっ」(出典『ピンポン』松本大洋)。美しい夏雲の写真を撮ったりしている。

◆夏なので、冷やし中華をつくる(BGM 「今日の料理のテーマ」冨田勲)

 料理番組や雑誌記事で見た献立で、すぐ作ったものは、レパートリーになることが多い。若い頃よく買ってたファッション雑誌に(帝国ホテルの)故・村上信夫さんが簡単な洋食を紹介する記事が連載されてて、その中でも、キャベツ一個まるまる使って、楊枝を使わないで巻き、鍋底にぴったり並べて煮るロールキャベツとか、バター、ケチャップ、塩胡椒だけでとてもおいしく出来上がるチキンライスは、いまだによく作っている。

 冷やし中華は、どの人が紹介していたのか、かなり昔にテレビで見た。簡単なのでメモする必要もなかった。麺は生麺、乾麺、油揚げ麺、何でもいい。ともかく茹でて水洗いして水を切って、ゴマ油をまぶして冷やしておくこと。鶏肉は茹でて刻んで冷やす。あとは胡瓜、トマト、錦糸卵など好みの具を用意して、醤油、酢、砂糖を混ぜ、鶏の茹で汁で伸ばしてスープとする。盛りつけてできあがり。30年以上作ってる。カロリー過剰にならないために、最初に捨てる熱い麺の茹で汁を、もやしを入れた鍋に入れて、茹でもやしを作り、それも冷やして麺に混ぜて盛りつけている。載せて盛りつけてもいいんだけどね。

 冷やし中華とチキンライスについては、家で作ったのがいちばんおいしいと思っている。材料費がかかるものでもないのだが、そういうものだからこそ、材料がものを言うのだと思う。べつにブランド鶏や高価な卵を使っているわけではない。たとえば、ごま油もバターも、食油としては高いものだが、家庭で使う1回分の材料としてみれば、それほどのものではない。バターを1回の料理で50グラム使ったところで、バター高騰とはいえ100円くらいのものである。たぶん外食では、そのバターやごま油を、コストカットの材料にされているのだと思っている。

◆役に立つ料理本

 たとえば、テレビに良く出てくる料理人さんで、有名な料理教室を開いている人の本のメニューであっても、透明になるくらい卵焼きにお砂糖がたくさん入るとか、豚を角煮にするのに大根おろしをまぶして蒸すとか、そんなレシピはあまり自分には現実的でなかったりする。好みの味だったり料理が簡単だったりする、自分が使える本でないと結局見なくなるのだ。で、使える料理本としては、『割合で覚える和の基本』(村田吉弘著、日本放送出版協会)はおすすめである。これを読むと、大概の家庭の冷蔵庫は片付くと思う。もしも家庭に「おでんつゆの素」「肉じゃがのたれ」「生姜焼きのたれ」などがあれば、それはすぐ捨てたくなるはずだ。「めんつゆ」さえ、自分で作った方がおいしいことがわかる。大概のものは「醤油、みりん、酒、だし汁」あと「酢、砂糖、塩」(あとは生姜とか唐辛子とか)があれば調味できてしまうのである。肉じゃがは、醤油とみりん「だけ」があれば調味完了である。あとのものは「一切」必要ない。「合わせタレ」を買う必要がない、ということは、用途別にタレを買う必要がない。半端にタレが残らず経済的であるし、その分、良い醤油や味醂を買えるから、料理がよりおいしくなる。

 

 


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