発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

マネーボール試写会

2011年10月28日 | 映画
マネーボール試写会、西鉄ホール。

 高校野球中継なんかを見ながら、つねづね不思議に思っていた。
 なんで、あんなあからさまなボール球に手を出すのだろう? この流れだとどう見ても押し出しなのだが、フォアボールを待たずに、わざとボール球に手を出すのは、相手ピッチャーへの思いやりなのか? あーあ、キャッチャーフライでスリーアウトだ。
 なんでそこで敬遠かなあ? 今のコントロールなら、敵に見送られてしまうと絶対次は敬遠しなくてもフォアボールだ。今相手のランナーを増やしてどうするんだ? 敬遠せずに、ボール球に手を出させて、フライとか凡打にして早いとこアウトとった方が良くないか? あーあ、押し出しだ。
 とまあ、素人解説者はこんなことを思っていたのだが、あながち間違いではなかったらしいことが、この映画を見てよくわかった。

↓物語の核心には触れていませんので、見に行きたい人も安心して読んでね。

 高校野球のスーパースター。一流大学の特待生を蹴ってドラフト1位、高額の契約金でプロ入りしたものの、鳴かず飛ばず。わが国でもよくある話です。
 そんな、ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、最後の選手生活を送った球団、オークランドアスレチックス(今、松井秀喜さんのいる球団ね)のスカウトを経て、GM(シボレー、キャデラックなどのブランドを持つアメリカの自動車会社……ではなくゼネラルマネージャー)をやってる。

 そのころのアスレチックスは貧乏球団だった。だから、いつも予算が足枷。育ったスター選手は、高額で引き抜かれる。トレード交渉も思うようにいかない。これもまあ、ありがちな話。

 そんななか、ビリーは、クリーブランド・インディアンズのひとりのスタッフに注目する。メガネをかけて丸々と太ったその若い男は、イェール大学で経済学を学んだピーター。
「金で選手を、ではなく、勝利を買うべきだ」
「(球団は)求めるものを間違えている。それを言うと村八分にされる」
 ピーターの持つものは、インディアンズでなく、自分が活用すべきだ。それを悟ったビリーは彼を引き抜く。データを徹底分析する彼との出会いで、すべては変わっていく。
 「我々の(安い)予算で25人の優勝チームをつくる」
 目標は設定されたが、そううまく行くものではない。
 以下本編をご覧くださいませ。

 確かに、フォアボールとヒットの価値は同じだ。
 プロ野球選手の情け容赦ない世界。GMと監督と選手の攻防。トレード、解雇、ロッカールーム。大観衆の集まるゲームの裏側も、興味深くございます。




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1 コメント

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まずははじめに (とろんとろん)
2011-11-07 22:36:09
ども。はじめまして。とろんとろんと申します。ちょうど今日試写会で
観てきたので、その想いが冷めないうちに、対ブログ三番勝負、といふ感じで
まずははじめにここを選んでみました。
(ネタバレを極力避けているので、そのルールには従いつつ、の縛りで)

一言で言えば、何故これが「もしドラ」や「ソーシャルネットワーク」の
後に公開される「真打」なのかがよくわかる映画でした。

>鳴かず飛ばず。わが国でもよくある話です。
>ゼネラルマネージャー)をやってる。

>育ったスター選手は、高額で引き抜かれる。トレード交渉も思うように
>いかない。これもまあ、ありがちな話。
わりかしこの体制は近いところだとJリーグの方が典型的で、前者は
元大分の教員出身選手で大分トリニータのGM(現在は清水エスパルスのGM)
だった原さんとか、後者はまさにようやく少しだけ浮上して、また少し沈むことに
なったアビスパ福岡なんかが思い出されます。

 まあ実際原さんよりもJリーグには「Change」を果たせた生きる伝説の
人物がいるのですが、それを出しすぎるとネタバレに限りなく近くなるもので。
(ただ、オルタナティブ(違った角度)からの提言やアプローチ、ってのは
重要なことなので、一応)

>データを徹底分析する彼との出会いで、すべては変わっていく。
ちょっと現実の人とはかけ離れたところに来たので、要所に出てくる娘ともど
いかにもドアマットなキャラ設定になっているようですが。
 いわゆる「サイバーメトリクス理論」のはしりの時代で、後のスポーツと
経済学を合わせた「物語付きの教科書」の先祖にあたる本が原作。国内でも
実践例としては北海道に移ってからの日本ハムが導入したりするなどして、
ある程度の結果(と顛末)が出ている中で、あえてこの時期の公開となったかの
プロセスもコミで(映画化の難産も含めて)納得の133分でした。
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