きらく堂日記

鍼灸師の喜楽堂が日々の出来事、過去の思い出、趣味にまつわる話などを綴った日記帳(=雑記帳)です

実践刀法研究・・・映画に観る斬りあい

2012年06月27日 | 居合・日本刀
 4年ほど前に、町で見かけてつい手が出てしまった椿三十郎VS.室戸半兵衛の決闘シーンのフィギュア。時々眺めては椿三十郎になった気分・・・。

 幼稚園の時、母に連れられて見に行った「七人の侍」から黒澤明監督のファンとなった私は、その後多くの黒澤作品を観ることになった(しかも繰り返し)。
 母にはよく映画に連れて行ってもらったが、デズニーの漫画映画(当時はアニメなんて言葉は無かったのです)は勿論、仲代達也主演の「人間の条件」とかグレゴリー・ペック主演の「渚にて」などという社会派の深刻な作品もなぜか観ているので、つまるところ母は子供のためというよりは自分の見たい映画を見に行ったということで、子供の私も「静かにして見ていた。」とか「渚にて」は泣きながら見ていた(幼稚園の私が)」とのことで、基本的に小さな子にはアニメ・・・というステレオタイプの考えは捨てて、もっとしっかりした大人の作品を見せても良い児が育つということは、私が証明致します。

 「用心棒」の続編みたいに作られた「椿三十郎」は、必ずしも期待通りの内容ではなく、特に椿三十郎がしでかす大虐殺シーン・・・逃げ惑う門番を獣の形相で背後から切って捨てるシーンなども含め、お家騒動で何十人もの家臣が死んだにも関わらず、平然としている城代家老(伊藤雄之助)・・・本来なら理由の如何に関わらず切腹もののはず、など少年の心になんともいえぬ違和感というか気持ち悪さを残した作品でしたが、最後のこの決闘シーンだけは前代未聞であり、度肝を抜かれました。これまで、映画を観ていて震えが止まらなかったのはこのシーンとベンハーの戦車競争のシーンだけですね。

 異様に近い間合いでの長いにらみ合い。室戸半兵衛がすごい速さで上方に抜き上げ真っ向に切り下げる(いわゆる土壇斬り)。瞬間三十郎は左に体をさばいて、左手で逆手に刀を抜きあげ、右手前腕を峰に添えて右下方から左上前方へ、半兵衛の右胴を押し切る。前方にものすごい勢いで「ブハー?」「ジャー?」「ザバー?」と吹き出る血潮。血煙のなか静かに倒れる半兵衛。フィギュアはその一瞬を切り取っていますが、顔つき(特に半兵衛:仲代達也の)から何から良くできています。この殺陣を付けたのは久世竜ですが、この人はどうも抜き胴が好きみたいで、以前、久しぶりに殺陣を担当した(2代目かもしれませんが?)NHK金曜時代劇の「柳生十兵衛七番勝負」でもいっそ抜き胴ばかりで、能が無い感じでしたが。

 さて、映画史に残る三十郎VS半兵衛の決闘に関しては、実際のところ殺陣そのものに沢山のWhy???????がありますが、その点についてはいずれまた。
<鍼灸マッサージサロン・セラピット>

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