きらく堂日記

鍼灸師の喜楽堂が日々の出来事、過去の思い出、趣味にまつわる話などを綴った日記帳(=雑記帳)です

それは突然やってきた!尿管結石

2012年03月26日 | 健康・養生・鍼灸
数年前のことである。
患者さんを施術中に左側の背腰部に突然違和感を覚えた。痛いという訳ではなく、ちょっと言葉では言い表せない「ムズムズするような、疼くような、重いような・・・いやーな感じ」で、ギックリ腰の前兆かも知れないと思いつつも、今まで感じた事のない不快感であり、大事を取っていつもより早く治療院を閉め、18:00には帰宅の電車に乗った。
 
乗った直後から、それは始りました・・・・
左側腰背部の重い痛み、周期的に襲ってくる吐き気、冷や汗、身の置き所が無いようなイヤーな感じと便意・・・。

やっとのことで家に帰りついたのが19:00。
とても夕飯を食べられる状態ではなく、横になって周期的に襲ってくる痛みに耐えていた。横になっていると少し楽なのだが、そのうち便意をもよおし、トイレの便座にしばらく座っていても、大便が出るわけでもなく、腰部の痛みがしだいに激しくなってきて、座っていられずにまた横になるを何度か繰り返しました。

痛みは初期の左背部から明らかに下に降ってきており、左脇腹から左腹部へと移動して来ていて、この時点で「尿管結石」と確信した。
水をがぶがぶ飲んで、安静にして、なんとか23:00頃までは我慢できたが、とても我慢できる痛みではなくなり、お腹が破裂するのではないかと不安になるほどの、居ても立ってもいられない、未経験の痛みとなり、思わず「うーん、うーん」とうなり声が出てしまうほどになったので、これはいかんと女房に運転してもらって、近くの救急病院へ行った。

症状を医者に話したら「ああ、急性大腸炎ですね。一晩に何人も救急車で来るんですよ。」と言う???。「痛みが背部から側腹部に移動しているし、便秘ぎみなので、尿管結石ではないですか?急性大腸炎なら下痢になるはずですが?」と言っても、「大腸炎ですね~筋弛緩剤を注射して、痛み止めを出しておきますから」と言うだけでした。

尿管結石も、急性大腸炎も緊急処置は同じでしょうから、「はい、お願いします」と治療を受けました。家に帰ってからは、手探りで、しかも左手で、腰部から側腹部の圧痛点を探っては、寸6(50mm)、3番鍼(0.20mm)を打ちました。雀啄をくわえると重痛部にズーンと響いてとてもきもちよく。これをしばらく続けてから寝ました。この夜はきっかり2時間ごとに痛みが出て、そのたびに痛み止めを飲むと言うのを4回くりかえして朝を迎えました。
朝はなんとなくすっきりした感じで目覚め、痛みもありませんでしたので、ちゃんと診察してもらおうと、電車で同じ病院にいくことにしました。

駅まで歩きましたが、なんとなく尿意を覚えたので、駅のトイレで用をたしました。
尿が上手く出てこず「あれ~、なんか尿の出方が変だぞ。」と思った瞬間、まったく唐突に、なんかの異物が、まさに「プッ]と言う感じで、尿道口から飛び出したのを、感じました。
おちんちんの先に赤茶色の2~2.5mmほどの粒状の物がくっついているのを発見したのは全くの奇跡で「何じゃ、こりゃ~~~」と言う感じしたが、すぐに「結石だ~!」「ばんざ~い」でした。慎重にティッシュに取って、大切に病院に持ち込み、昨日の医者に見せましたが「あ、結石ですね。良かったですね。」とサラッと言われて(ムカ~!)、「だから昨夜、結石ではないかと言ったでしょう。」と口には出せず。兎にも角にも痛みも出ず、腰も軽く、一件落着めでたしめでたしでした。

 こんな小さな粒でも尿管(腎臓と膀胱を繋いでいる管)を降りてくるときに尿管の内壁とこすれて、反射的に尿管が異常痙攣するために、あんなにひどい痛みが発生するなんてね、にくらしい結石やろうですが、逆になんとなく愛しく思ったりもして・・・。

繰り返します・・・大腸炎は下痢、尿管結石は便秘ですぞ!!!。

<鍼灸マッサージサロン・セラピット>