きらく堂日記

鍼灸師の喜楽堂が日々の出来事、過去の思い出、趣味にまつわる話などを綴った日記帳(=雑記帳)です

TVでも見てしまった椿三十郎

2008年12月29日 | 趣味・道楽
 昨夜、TVで「椿三十郎」を見てしまった。
なんか映画館で見た時より良かった感じ・・・で、アレッ!という感じを受けたのはなぜか?・・・と見ながら考えていて気が付きました。画角が狭く画に広がりがないことを・・・つまりアップが多かったり、望遠でとっても距離感がなかったりで、シーンの一つ一つは黒澤明監督ものと全く同じなのだけれど、なんか狭苦しい絵になっているのが、実はTVで見た時にはピッタリ来るのではないか、ということを・・・ちなみに私のTVは今時めずらしい14インチなのですが!。

 最近の映画はほとんどビデオカメラで撮影されているので、映像は鮮明なのだけれど画面の奥行き感がなくなってしまっているようです、先日見たマトリックスも同じだ。もはや映画館で見るより、DVDやブルーレイでディスプレイ画面で見る時代なのだから、作り手もそれに合った映像を作っているのでしょう。

ちなみに、2007年公開時に映画館で見た感想を引き出して見ると・・・
・・・脚本が昔のままと言うことで、台詞も勿論昔のまま、ストーリー展開も当然同じとして、シーンのカメラアングルや三十郎の台詞回し、口調までも昔のまま(というより真似?)、というのは?。プロデューサーの製作意図としては有りとしても監督の森田さんの本音を聞きたいね・・・。天皇というより欧米では神(God)と呼ばれる黒沢さんとは勝負しないということなのでしょうかネ・・・?
 唯一の抵抗はラストシーンでしたが、接近戦で互いの刀の柄頭を取りに行くというのはちょっと現実離れ(武術として)していて、ドタバタ感が否めませんでした。お互い、自分の刀を離してしまって相手の刀で斬り合うといういう所で意表をつきたかったのでしょうけれど・・・。同じ非現実でも昔の血しぶきドバーの方が映像的には勝っていますね。

 前にも書きましたが、あの間合いは抜刀する間合いではない訳で、もし相手が片手で抜き打ちに来ようとしたら、わざわざ相手の刀の柄を握りにいかなくてもこちらの体を寄せてしまえば、相手の右腕は相手の体とこちらの体の間に挟まってしまい抜刀は不可能で(まさにそのような状況でしたが・・・なんで、そんな状況で刀を抜くの?・・・)さらに密着させれば相手の右腕の動きを封じることができます。当然こちらも抜刀することはできませんが、こちらの両手(少なくとも左手)は自由なわけですから、殴ってしまうも良し、眼を潰してしまっても良し、柄を握っている相手の手を両手でつかんで指を折ってしまうも良し、そのまま組み付いて体を密着させたまま倒れこんで絞め殺しても良し(何せ相手は左手しか使えない)・・・な訳です。怖いですね・・・なにしろ生きるか死ぬかですからね・・・当然ですね。ただし映像的には美しくありませんが。

 どうせシーンを変えてしまうのなら、もっと大胆に変えられなかったのかなあ。半兵衛が馬上で槍でもって勝負を挑むとか・・・だめか?
・・・・といのが当時の感想でした。ジャンジャン。
<鍼灸マッサージサロン・セラピット>