☆♪☆ 鉄のみゅーじしゃん ☆♪☆

作編曲家・ギタリスト塩塚博のブログ。
近年は駅メロディの作曲で知られています。

映画「エルヴィス」見てきました。

2022年08月03日 16時07分19秒 | 好きなアーティスト
エルヴィス・プレスリー。キング・オブ・ロックンロール、世界で最も売れたソロシンガー、黒人のR&Bと白人のカントリーを融合させた人・・etc、彼を讃える言葉は沢山ありますが、才能に溢れ、歌が上手く、声と顔がよく、セクシーで、どうしようもなくカッコいいスターの中のスターです。
僕は、エルヴィスを専門に歌うインバーソネイター(トリビュートアーティスト)の伴奏を長年つとめた関係で「エルヴィス愛」があり、期待して見ましたが、とても面白くてたっぷり楽しめました。



この映画は、エルヴィスの伝記映画ですが、伝説のマネージャー、「トム・パーカー大佐」(トム・ハンクスが怪演)がもう一人の主人公であり、ずっと続いた二人の確執を軸に展開していきます。
若きエルヴィスをパーカー氏が初めて見た日。その革新的な音楽の内容、セクシーなパフォーマンスは会場の観客を熱狂させ、パーカー氏もこの若者の果てしない才能と可能性にKOされます。このシーンは衝撃的です。
子供の頃から黒人音楽、ブルースやゴスペルに親しんだエルヴィスが、ごく普通にBBキングやリトル・リチャード、マへリア・ジャクソンらと交流していたエピソードも素敵。
68年のクリスマスに放送された「カムバックスペシャル」や、ラスベガスのホテルでの大編成バンドによる豪華なショウの始まったいきさつやその裏側は、実に興味深いものがありました。

エルヴィス役のオースティン・バトラー。エルヴィスとそっくりではないけれど、遠くはない。メイクを施せばもうエルヴィスそのもので、適役だと思いました。
トム・ハンクス、実は実際のパーカー大佐とてもよく似ていて、それでキャスティングされたのかな。そして、BBキングやリトルリチャードも本人に似せており、リアルでしたねー。



そして、映画の中で使われている音楽、演奏はエルヴィスのオリジナルバージョンではなく、この映画用に制作されたものですが、とてもリアルに再現されていて唸ってしまいました。若い頃のトリオバンドも、晩年の豪華バンドも、原曲のテイストを大事に守り、その時代の雰囲気をなみなみと湛えた、今の音楽家によるクオリティーの高い演奏でした。
歌は、エルヴィスを彷彿とさせる見事なもので、本物じゃねぇ?と思って、帰ってから調べたところ、若い頃のものはオースティン・バトラーが吹き替えなしで歌唱。68年の「カムバックスペシャル」以降は本物のエルヴィスの声をはめ込み、もしくはエルヴィスとオースティンの声のミックスだそうです。
「If I Can Dream / 明日への願い」や「アンチェインドメロディー」「サスピシャス・マインズ」、エンドロールの「インザゲットー」は、僕も見ながら「これエルヴィスじゃん!?真似たとしたら相当すごいモノマネだなー」と思いましたが、実は声は本物のエルヴィスです。道理で、違和感ゼロでした。

イチャモンつけるとすれば、エルヴィスとパーカー氏のトラブルに時間を割きすぎ。そこは正直あまり興味ないのでもっと短縮してほしかったな。
それと、訳の分からないモダンなアレンジやラップが何曲か出てくるけど、これ要らないです。
でも、とてもよくできた、魅力的な映画でした。エルヴィスをよく知ってる人も知らない人も楽しめると思います。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 8月のライブスケジュール | トップ | ジャンピン・ジャック・フラ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

好きなアーティスト」カテゴリの最新記事