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『痺れる』 沼田まほかる著 光文社文庫

2018年03月13日 | 
本棚の奥からでてきた文庫本。読んだ記憶はかすかに残っていたが再読。
『ユリゴコロ』『アミダサマ』『猫鳴り』『九月が永遠につづけば』など読んだが、はじめからぐんぐん読者を引っ張りこむ手腕に惚れた。文体自体がとてもわかりやすくて惹きつけられるのだ。今回の『痺れる』も日常に潜むことを取り上げてひとつのとんでもない結果に導いていく過程はスリル満点!まほかるワールドに引っ張り込まれる。

林檎曼荼羅、レイピスト、ヤモリ、沼毛虫、テンガロンハット、TAKO,普通じゃない、クモキリソウ、エトワールと9編の短編集ながら充分読書の楽しみを満たしてくれた。

短編ながら最後まで落ちが読めないふてぶてしさにやられた~と思う。まほかるは僧侶であるがゆえに書くことが出来る題材がまわりにあるのだろう。それぞれに内容は書かないが、最後の行に読者の疑問をいとも簡単にいってのける小気味よさ!ああ~そうだったのかと読者の謎が解ける。いつの日か又読み返してにやりと笑う日もきっとあるだろう。

 


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