夕庵にて

スマホでパチリ・・・
ときどき写真と短歌を

映画『モリのいる場所』

2018年05月25日 | 日記
時間の余裕ができたのでしばらくぶりの映画を見た。
『モリのいる場所』監督沖田修一
山崎努と樹木希林共演。没後40年の画家熊谷守一の風変わりな生活。ただどんな作品を残したのか、どんなふうにして描いていたのかがわからなかったのが残念だったが、検索してみると晩年数匹の猫と暮らしていたらしく、猫の絵が多かった。線と色とのシンプルな構成の絵には衒いのない彼の本質を表現しているようで、優しいほっこりとした気持ちになれる。









名声も金銭も求めない彼の生活は午前中は庭の中にいて花や、動物の観察、昼寝をして夜中にアトリエで筆を持つ。鬱蒼とした森のような庭で巻きたばこをくゆらす。ふわふわあがる煙であああそこに座っているのだなあとわかる場面は面白かった。5人の子供をもうけながら3人を赤貧で亡くすという過去がある。
脳梗塞を患ってからは自宅の庭を2本の杖をつきながら、蟻の観察や植物の成長を楽しんだ。96歳で亡くなるまでよき理解者の妻と姪に支えながら孤高の画家であった。

写真で見る彼のまなざしにやさしさと聡明さをみる。文化勲章やさまざまな賞を辞退して己を貫いた仙人のようであったといわれる所以である。セリフが少ないが寄り添うようにして支えた妻の存在も大きかったように見受けられた。「下手も絵のうち」との名言を残す。

妻の樹木希林の少ないセリフの中にも何とも言えない味わいがかもしだしのはさすが名優である。


コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 廬山寺 | トップ | 黒猫 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事