『旅屋 おかえり』原田マハ著 集英社文庫
すこし柔らかな真剣でない肩の凝らない本をと思い読んだのがこの本。
(おかえり)こと丘えりか。依頼人の代わりに彼女が読者を極上の旅へ連れて行ってくれる。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を求めて愛媛県内子町へ。おかえりの行く先々で出会ったその土地の暖かい人情をときにはほろりとさせながら情景の描写を美しく紡いでゆく。読後はやはり旅に出たいという希望に駆られる。内子町、いいところだなぁ~
アメジストセージが揺れている。この匂いにつられて蝶々が寄ってくる。