夕庵にて

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ときどき写真と短歌を

ひとりをたのしむ

2021年06月03日 | 
「ひとりをたのしむ」 伊集院 静著  講談社 (大人の流儀)

友人がこんな本を持ってきてくれた。
人は誰でも別れ、離れ、ひとりになる。そして誰にも静かな時間がやってくる。喧騒が消え、孤独が友になる。一人の時をじっと味わう。人生、こんな楽しみもあったのだと気付く。(抜粋)



思うに、コロナ、自然災害、戦争に人々は翻弄される。100年目くらいに起きた感染症、その蔓延している新しい菌にもワクチンの開発があり、人間の英知は永遠に素晴らしい。もうすぐ自国でのワクチンが承認される日の近いことを待ちながら・・・

著者は17年も生きた愛犬のぼ死を看取り最後の夜、ベッドを共にした。
もの言わぬものへの優しさがうれしい。一刀両断に成敗する政治家への不信、現代社会への警告は気持ちがよい。

そんな彼も会計をしないで喫茶店をでてきて、お勘定!と追いかけられたり、タクシー代も払わず悠々とホテルへ向かう、ステーキ屋さんの前掛けをしたまま街を歩いたり、間の抜けたことをしでかすことを白状するのに、読者は何故かほっとするのである。


私は、ひとりを生きるなんて仰々しくないか?人はひとりで生まれひとりで死ぬものだなんて理解しつつも悲しいではないか?と思う。
私は生まれてから現在までどれほどの楽しさ、嬉しさ、別れ、苦しさ、悲しさを味わってきたのだろう。多かれ少なかれみんな同じような道を歩いてきたことだろう。

それらの起伏の多い山を乗り越えて今は静かな心境で無理をせず時代に体を委ね、時期の来るのを待つがいいと思っている。多分みんなそう思って今は静かに歩いてきた道を振り返り、ひとりを愛し、孤独を愛するのだろう。
勿論それまでにはどれだけ多くの人たちに助けられたか、私の財産である。
そんな時この本にであって背中を押され、それでいいんだよと言われたように意を強くした。

雨後の散歩でザクロ

      

庭に咲いた紫陽花
   



コメント (2)
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