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6ステイン 6つのストーリーに6色の人間模様がいいです。

2010年12月14日 00時49分07秒 | 読書評
6ステイン
福井 晴敏
講談社

6ステイン を読みました。
福井晴敏を読みあさっています。 
亡国のイージス 川の深みにつづいて4冊目です。

この作家のリアリティと登場人物の人間くささが気に入って、作品をいくつか
読んでいます。

このタイトルの小説は、短編が6作品でそれぞれの登場人物が個性のある
彩りを見せてくれて、ひとつひとつのストーリーに引き込まれます。

自衛隊の工作員あがりの建築会社のサラリーマンが北の工作員に襲われ
徐々に、工作員時代の戦闘能力を蘇らせながらも、子供の体温で人間らしさ
を残し、敵と格闘する話。

逃げられただんなの置き土産であるロシアのスーツケースと呼ばれる核爆弾を
10年も隠し、ひたすらだんなの帰りをまつ、元芸者の旅館の女将。

円満な家庭を持ちながらも、パートタイマーで動く、母親の工作員。
子供と夫への思いが見え隠れしながらも中国の工作員を助ける動きをするが
その工作員は殺害される。

次の話では、その母親の工作員が前編の話から一変して気持ちの強い
女性工作員となり、中国マフィアを攻略。そのときに巻き込むのが
元敏腕のスリの老人。前科がありながらも子供の嫁にはそれを隠し
人並みな小さな幸せのある老後生活を営んでいると、家庭のちょっと
した亀裂から、再びスリに加担する。

退役前の工作員。いつもの予備の人員として張り込みをするも、実は
事件の張本人であり、市ヶ谷の本部を巻き込む為の味方も知らぬうちに
巻き込む為の素材のひとつとする。

それぞれのストーリーに人間くささを強調しながら、大どんでん返しの
ようなストーリーが展開されて驚きを与える。事件解決後もその登場人物
の後の姿を見せてくれるので、気になる主人公の様子を垣間見えさせる
ところは、読むものに安心感を与える。
面白い作品だと思う。

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