夜窓より ☆私の考えなり流儀なり☆

日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』に連載中の教育への雑感をまとめておきます。夜間定時制高校の教師の視点です。

理想の学校作りへ 1

2015年02月06日 | 教育
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 『中・高校教師用ニュースマガジン』(中高MM)☆第3294号☆
                   2015年1月11日:日曜日発行
   編集・発行 梶原末廣     sukaji@po.synapse.ne.jp
  http://www.synapse.ne.jp/~kanoyu/sukaji/index.html
http://www.synapse.ne.jp/~kanoyu/kyoushi/index.html
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■新連載「理想の学校作りへ」(1)瀬尾公彦(愛知県)
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【新連載】
 

■「理想の学校作りへ」(1)


  瀬尾 公彦
  seo@ksn.biglobe.ne.jp

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(はじめに)

2011年から2年間「夜窓より」という題で、夜間定時制高校にまつわる
内容を連載させていただきました。あれから丁度2年。私にとっても意味の
ある連載であったと感じております。本年よりまた連載させていただくこと
になりました。昨年梶原編集長の拝顔を仰ぐこともできました。今回の内容
は前回以上に手探りの状態ですので、前回にまして皆様の忌憚のないご意見
をいただけますと幸甚でございます。
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 2014年の夏は熱い夏であった。私の指導する定時制高校の野球部が二
年ぶりに地区大会を勝って全国大会に出場した。ここ2年決勝戦で1点差で
敗れて「目指せ神宮!」の夢が後一歩のところで潰えていた。ところが今年
は運の良いことに、全国大会でも勝ち上がり、準優勝をすることができた。
人生には稀にある、天からのご褒美である。
大会参加にあたり、かつて書いたように予算的には赤字になる中で、卒業生
や旧職員など個人的なカンパに支えられての全国大会の出場であった。その
方々へのお礼の文章などを送った、8月の下旬のことであったと思う。

 そういったカンパに協力してくれたもう40代半ばの卒業生から電話がか
かってきた。「先生、今困っているんですけど、**市で外国人に日本語を
教えてくれる先生を知りませんか?」私は**市在住である。そして私は国
語の教師である。「それって、俺にやれって言っているの?」みたいな会話
であったと思う。彼は設計会社の社長で、ベトナムにも会社を持っている。
ベトナム人の日本企業受け入れについては様々な営利目的のトラブルもある
が彼は利益を度外視して良心的に外国人技能実習生を受け入れる努力をして
いる。そして私が引き込まれたのは、次のような話であった。

 ベトナムの先住民で少数民族であり、現在被抑圧的存在であるチャム族が
いる。彼はそこの出身のベトナム人と知り合い、チャム族を援助する為に、
8人を日本に呼んで、現在日本各地の理解のある会社に受け入れてもらって
いるという。彼は私費で、日本に来れない人に対しても、現地の日本語学校
に通わせているという。卒業式の前などに、よく「弱者の視点を忘れるな」
みたいなことを語る私には弱いところである。

 結局9月より名古屋近郊の会社に勤めるチャム族のベトナム人に日本語を
教えることになったのである。お金を支払うという申し出は丁重に固辞させ
ていただいた。さて、いろいろと本を読んでいくうちに、国語の教師の領域
と日本語教師の領域が似て非なるものであることに気づかされていく。しか
し教えるというスキルは共通で、私のように夜間定時制という、ある種弱者
であり、ある種低学力の生徒達を対象として来た者にとっては気持ち的には
スムーズに入ることができた。

 教えた初日、とにかく実に楽しかった印象がある。私の教える対象は、2
4才と30才で、共に大学を出ている。1人は全くの初心者で、五十音を何
とか覚えた程度で来日。もう1人は幾分ましで、12月にN3という日本語
試験をチャレンジした。わかりやすく言えば片言の日本語をゆっくり話す程
度。2人とも5月に来日して、2ヶ月他の外国人達と日本語を勉強したが、
会話はなかなか難しい。そこへラッキーなことに24才の日本の大学院に通
う私の通訳ができるベトナム人の人がサポートについてくれることになった。
今回の物語はここから始まる。


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===編集日記=== 
  皆様に支えられて「日刊・中高MM」第3294号です。

 瀬尾公彦氏の【新連載】「理想の学校作りへ」を本号から掲載致します。

 ・人生には稀にある、天からのご褒美である

 ぐっときますね、やはり同じ仕事をしていると慢性化して思うにまかせない
 こともあるでしょうから「ご褒美」は嬉しいですね。

 ベトナム・日本人・日本語・教育とワードが印象に残ります。
 タイトルは「理想の学校作りへ」ですから、わくわくです。
 次回楽しみです。
 また、瀬尾公彦氏で感想・質問メールなどお願いします。
 「seo@ksn.biglobe.ne.jp」


       皆様のご意見・ご感想お待ちしています。
       sukaji@po.synapse.ne.jp
       梶原末廣【インターネット編集長】
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