夜窓より ☆私の考えなり流儀なり☆

日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』に連載中の教育への雑感をまとめておきます。夜間定時制高校の教師の視点です。

■「理想の学び舎作りへ」(21)

2016年07月11日 | 教育
【連載】

■「理想の学び舎作りへ」(21)

瀬尾公彦(愛知県)
seo@ksn.biglobe.ne.jp

 
6月の7日より、ベトナムのファンランという小さな村の学び舎でささやか
ながらしっかりと授業が始まった。ベトナムの若い3人の先生が基本教える。
生徒たちは、週2回出校であるが、その他の日も来て自習室で学んだりして
も良い事になっている。

その週2回のうち、一度は日本人がSkypeで授業を行う。90分の授業
のうち、最低30分やるという原則で、45分でも90分すべてでもそれは
その担当の先生に任される。

生徒たちは中学生が多く、高校生と混在している。今は夏休み中なので、結
構自分の授業がなくても自習しに来る生徒もいた。

さてスタートからの一ヶ月。まずはトラブルの方から。当初クラスは6人で、
6クラス編成、午前、午後3クラス。週2回と決めてスタートしたが、始ま
る前に、次の時期の生徒たちを現地で先生たちが(当然地元、同じ村)受付
始めてた。その時、11人。それはストップさせた。なぜなら今のクラスは
一年で終わるわけでもなく、次の先生候補たちもいるがまだまだ育っていな
いので、いつ次のクラスを増やせるかは目処が立たない状況であるから。

と、止めたはずが更に受け付けたらしい。これは地縁の難しさなのか。合計
21人を受け付けて、結局彼らも受け付けた以上、こちらに責任があるので
クラスを増員して、一クラス9,10人となってのスタート。

もう一つ、トラブルと言うほどでもないが、初の先生たち、やはり先生モー
ドというのはこわいもので、仕切る、仕切る。例えばSkypeがつながる
と、「せいの」「先生おはようございます」そういう先生イメージはどこで
もあるものだと思わされる。


毎日授業が終わると先生が授業記録を書く。生徒1人1人の名前の欄もあり、
その動きも簡単に報告させている。授業はメイン1人にサブで2人。前後に
60分の自習の時間があり、先生がいろいろと手伝う。90分の授業あとの
60分は2人が相手をして、メインの先生は授業記録を書くことにしている。
まだ現在は自習の時間にカタカナを学んだりしている。

そしてこの一ヶ月の良かったところ。生徒たちが基本笑顔で楽しそうに学ん
でいること。先生たちもまた本当に寄り添って、一生懸命に教えたりしてい
て、見ていて信頼感のようなものを感じること。先生自身が授業を楽しいと
感じていること。

まだまだ未熟なところや問題と思われることも少なくはない。しかし、ここ
からスタートである。すごく不安に思われることとすごく順調に何かをなし
とげ始めていると言う感触とを感じながらの一ヶ月であった。


8月にはベトナムに行く予定である。

実に楽しみである。


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===編集日記=== 

  皆様に支えられて「日刊・中高MM」第3751号です。

 瀬尾公彦さんの「理想の学び舎作りへ」、お届けします。

 ・6月7日より、ベトナムのファンランという小さな村の
  学び舎でささやかながらしっかりと授業が始まった。

 この一文に尽きる。夢の一歩、理想の一歩。夢と理想は儚く
 尊い。でも、やはり人は歩く。歩くことで道ができる。瀬尾
 さんの夢と理想と思いは深く尊い。心からの応援をします。