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■「遠景のモノ語り」(6)瀬尾公彦(愛知県)
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【連載】
■「遠景のモノ語り」(6)
瀬尾 公彦(愛知県)
seo@ksn.biglobe.ne.jp
◆*クロスのボールペン*(2)
現在、夜間定時制ではどちらかというとおとなしい生徒が
少なくない。街にも「不良」の姿を見かけることが少なくな
っている。
さて、荒れた時代の、おとなしい1人の少女のお話の続き。
彼女は成績も良く、県立大学を受験することとなった。しかし
残念ながら不合格となってしまう。
そのあとの希望を聞いて驚かされた。中国の大学に留学した
いという。
確かに入学当時に比べれば、随分自信もつき、積極性も又勇
気も出すことができるようになっていた。初めての一人暮らし。
海外。2000年頃の上海。
これは他の不登校の生徒から聞いた話であるが、しばらく部
屋から出ることができない彼が少しずつ外に出る。部屋の外は、
近所でも、沖縄でも海外でも同じであると。
夏休みになり、帰国して学校に顔を出してくれたときに、
お金を渡して彼女が選んで買ってきてくれたのがクロスの
ボールペンであった。
当時既に、5年日記を使って、私は毎日の出来事を書き留め
ていた。それは担任を辞める最近までずっと続けられて、その
クロスのボールペンも20年ほど使用したことになる。インクも
10本以上変えたと思う。
彼女は留学先の中国で、韓国人の留学生と恋に落ちる。
そして結婚。韓国に住む。韓国での嫁の扱いなどについて聞く
度大丈夫かと心配していたが、彼女はめげずに、明るい便りを
送ってくれた。そして、韓国の大学院を卒業もする。
やがて一家で日本に住むようになり、現在は二児の母として
がんばっている。子供が不登校と話していたが、彼女ならば、
その子供たちにとって、最も良き理解者であってくれるのであ
ろう。
卒業の時に彼女が書いてくれた手元に文章がある。
「@@運命的に先生と出会ったのは@@入学式でした。こんな
に長い年月を、これだけ早く感じ、楽しく過ごすことができて、
なんか私は幸せ者です。@@ありがとうございました。では足
りないなあ。言葉で言い表すのは難しいので心の中にそおっと
しまっておきます。」
年に1,2度、ランチのお誘いがある。私としても至福の時
間である。
拙稿を見せたら、「大事にとっておこうと思います」と返信
をいただいたので2回にわたり掲載させていただくことにした。
最近、古い映画の「学校」のモデルとなった松崎運之助氏の「
幸せになるための学校」というフレーズに再会した。映画の中
に「幸福とは何か」を知ることのために勉強をする、と言う言
葉もあったように思う。
================
===編集日記===
================
皆様に支えられて「日刊・中高MM」第4891号です。
瀬尾公彦さんの「遠景のモノ語り」、お届けします。
クロスのボールペンの2回目、教師冥利に尽きるお話ですね。
映画「学校」は4部作ですが、1作品目の舞台は夜間中学校
山田洋次監督で西田敏行さんが先生役で生徒役の一人が、故
田中邦衛さん、秀逸でした。「学校」の最初のカットが好き
です。「**夜間中学、だれでも学べます」だったかな?
もうジーンときます。「幸福とは何か」……DVDもサント
ラ盤CDも持っているので視てみるかな、聴いてみるかな?
■「遠景のモノ語り」(6)瀬尾公彦(愛知県)
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【連載】
■「遠景のモノ語り」(6)
瀬尾 公彦(愛知県)
seo@ksn.biglobe.ne.jp
◆*クロスのボールペン*(2)
現在、夜間定時制ではどちらかというとおとなしい生徒が
少なくない。街にも「不良」の姿を見かけることが少なくな
っている。
さて、荒れた時代の、おとなしい1人の少女のお話の続き。
彼女は成績も良く、県立大学を受験することとなった。しかし
残念ながら不合格となってしまう。
そのあとの希望を聞いて驚かされた。中国の大学に留学した
いという。
確かに入学当時に比べれば、随分自信もつき、積極性も又勇
気も出すことができるようになっていた。初めての一人暮らし。
海外。2000年頃の上海。
これは他の不登校の生徒から聞いた話であるが、しばらく部
屋から出ることができない彼が少しずつ外に出る。部屋の外は、
近所でも、沖縄でも海外でも同じであると。
夏休みになり、帰国して学校に顔を出してくれたときに、
お金を渡して彼女が選んで買ってきてくれたのがクロスの
ボールペンであった。
当時既に、5年日記を使って、私は毎日の出来事を書き留め
ていた。それは担任を辞める最近までずっと続けられて、その
クロスのボールペンも20年ほど使用したことになる。インクも
10本以上変えたと思う。
彼女は留学先の中国で、韓国人の留学生と恋に落ちる。
そして結婚。韓国に住む。韓国での嫁の扱いなどについて聞く
度大丈夫かと心配していたが、彼女はめげずに、明るい便りを
送ってくれた。そして、韓国の大学院を卒業もする。
やがて一家で日本に住むようになり、現在は二児の母として
がんばっている。子供が不登校と話していたが、彼女ならば、
その子供たちにとって、最も良き理解者であってくれるのであ
ろう。
卒業の時に彼女が書いてくれた手元に文章がある。
「@@運命的に先生と出会ったのは@@入学式でした。こんな
に長い年月を、これだけ早く感じ、楽しく過ごすことができて、
なんか私は幸せ者です。@@ありがとうございました。では足
りないなあ。言葉で言い表すのは難しいので心の中にそおっと
しまっておきます。」
年に1,2度、ランチのお誘いがある。私としても至福の時
間である。
拙稿を見せたら、「大事にとっておこうと思います」と返信
をいただいたので2回にわたり掲載させていただくことにした。
最近、古い映画の「学校」のモデルとなった松崎運之助氏の「
幸せになるための学校」というフレーズに再会した。映画の中
に「幸福とは何か」を知ることのために勉強をする、と言う言
葉もあったように思う。
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===編集日記===
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皆様に支えられて「日刊・中高MM」第4891号です。
瀬尾公彦さんの「遠景のモノ語り」、お届けします。
クロスのボールペンの2回目、教師冥利に尽きるお話ですね。
映画「学校」は4部作ですが、1作品目の舞台は夜間中学校
山田洋次監督で西田敏行さんが先生役で生徒役の一人が、故
田中邦衛さん、秀逸でした。「学校」の最初のカットが好き
です。「**夜間中学、だれでも学べます」だったかな?
もうジーンときます。「幸福とは何か」……DVDもサント
ラ盤CDも持っているので視てみるかな、聴いてみるかな?