夜窓より ☆私の考えなり流儀なり☆

日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』に連載中の教育への雑感をまとめておきます。夜間定時制高校の教師の視点です。

■「遠景のモノ語り」(8)

2022年08月04日 | 教育
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■「遠景のモノ語り」(8)瀬尾公彦(愛知県)  
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【連載】

■「遠景のモノ語り」(8)

     瀬尾 公彦(愛知県)
     (seo@ksn.biglobe.ne.jp)



◆ Kimihiko Seoのミサンガ



7,8年前にベトナムに学び舎を作るNPOに関わった。そのことの拙文を

こちらにも連載させていただいた。



学びのシステム自体、既に教員であれば、日本の学校であればこういうも

のだという感じで過ぎていく。しかし、いざ一から学校を作るとあれば、

自らどのような学びの形がより理想的なのか日々突きつけられていた。



先生の在り方、ティーチャーの部分とファシリテーターの部分。

例えば、日本的な集団相手の先生による「授業」の前と後に20分くらい自

習の時間を設定して、そこに先生もいて、わからないところなどを聞ける

形を考えてみたりした。個々の習得の確認にも配慮した。



スカイプを使ったり、先生候補を日本に呼んだりして、教育について単に

知識の伝達だけではなく、パウロフレイレやイリッチなどの、学びの考え

方などを紹介して、具体的な授業を展開してもらったりしていた。



教える内容は日本語教育に特化されていたので、そこは悩まずにすんだが、

やはり一から考えれば、日本の学校の現行の教科の分け方で良いとも思わ

れない。健康医学という科目があっても良いし、社会で生きていく確定申

告や生活保護の申請制度などの実生活に特化した科目があっても良い。



高校くらいまでの教える知識を考えると、採用が教科採用であることも当

然のようで当然では無い。ただどういう人間が教職にふさわしいかの判断

が難しいので、教職者と言う観点が二義的になってしまっているのであろ

う。手間はかかり人が判断する難しさはあるとしても現在の非正規の常勤

や非常勤の勤務の現状を見ると、一年間の現場経験を見ての採用なども考

えられてもいい。



話は逸れたが、ベトナムに行ったときに、先生候補の1人から「お母さん

が作りました」と渡されたのが、私の名前入りのミサンガで、大変嬉しく、

現在も通勤に使用しているバッグに結んである。世界で一つの手作りのミ

サンガは時を経ても丈夫で、私だけに意味のあるものとして存在し続けて

いる。



様々な事情で、このNPOからは手を引いて久しいが、ここで関わった何人

かとのやりとりは続いている。個人的にはなかなか楽しく現在も意味深い

数年であったと感じている。

===編集日記=== 
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  皆様に支えられて「日刊・中高MM」第4927号です。

 瀬尾公彦さんの「遠景のモノ語り」、お届けします。

 ・Kimihiko Seoのミサンガ

 瀬尾さんの連載8回目ですが、この「モノ語り」は毎回なるほどと
 頷きながら拝読しています。そろそろ自分も「モノ語り」を準備す
 る時期に来ているのかななどと頭を過(よ)ぎる。

 第22回霧島プロジェクトの時間メニューも準備しました。
 どうぞ各リンクから閲覧いただき、ご一緒できれば嬉しい
 です。


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