夜窓より ☆私の考えなり流儀なり☆

日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』に連載中の教育への雑感をまとめておきます。夜間定時制高校の教師の視点です。

■「そして明日へ」(3)

2018年12月14日 | 教育
■「そして明日へ」(3)

  瀬尾公彦(愛知県)


       seo@ksn.biglobe.ne.jp


ここからは少し定年後の個人的な感慨を書いていきたい。


定年を迎えたが、現在再任用で、やっていることは変わらない。リタイア

感もそこそこあれど、担任もあり、当然まだ気は抜けていない。



この3月に、歴任した学校の生徒たちが十代から五十代まで、100人ほ

ど集まってくれて「集まれ瀬尾組!退職記念パーティー」という会を開い

ていただいた。身に余る光栄で、これで一つ区切りはついた。



それでも明日は来る。



学校には季節感がある。子供の頃、一学期は夏休みを待ち、教員になって

は、春の卒業を待った。そのようにして季節は巡り、ここまで生きて来た。


言葉にしてみれば、多かれ少なかれ、自分の中の「輝かしい未来」という

方向性で、楽しく毎日を過ごしてきた気がする



定年を迎えるとその方向性が失われてくる。現在一年生を担任しているが

私が担任を持てるのはあと二年である。今までならばイメージできた卒業

式には自分はいないことになる。



教員の部分ではそれが現実。それでも、生きていく以上、何かしら「輝か

しい未来」は欲しいと思う。



この秋口に一つのプランを思いついた。あと二年働いて、いったん仕事を辞

める。そして一年、世界一周旅行券という飛行機のチケットで世界を回る。

これについては次回に譲りたいが、なかなかお値打ちなチケットなのである。



私は旅が好きで、それ以上に旅を計画するのが好きなのである。かつてここ

にも書いたが定時制の修学旅行をグアムにする企画を自らしたりして、旅行

業者とは何人も懇意にしていただいて、海外旅行も一緒に行くなど「転職し

たら」と言われたりもした。



例えば、モナリザを見るならば、ルーブルで朝一番に横の小さなライオンの

像のある入り口から入ると近い事などを調べて、実際に行くと私達しかおら

ず、十分くらい独占して見ていると、正面のクリスタルのピラミッドから入

場した客が怒濤のように走って来たものである。



夜な夜なそういうことを調べる時間が私にとってなかなか至福の時である。



2年間そういう時を持ちつつ、楽しみにしつつ、その楽しみの中でたとえ命

が尽きても、それはそれでなかなか良い時間の中での死と言えよう。



自分へのご褒美。お金で買えるものもある。



次回からはそのプランについて書いて行きたいと思う。





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===編集日記=== 

  皆様に支えられて「日刊・中高MM」第4337号です。

 瀬尾公彦さん「そして明日へ」、お届けします。

 感慨深い。「仕事」&「労働)観がそれぞれに異なるが、現役の
 教師にも、やがてはやってくる退職というもの。瀬尾先生のよう
 に再任用の方もいらっしゃると思うので役立つことが出てくるの
 ではないかとおもいます。きっぱり退職して悠々自適の生活もあ
 るの思うので、皆様はいかがでしょう。具体的なプランの紹介も
 ありそうなのでこれからの連載が楽しみです。

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       梶原末廣【インターネット編集長】
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