寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2643話) 梅の木

2018年07月14日 | 出来事

 “わが家の梅の木は、毎年たわわに実がなり、梅酒や梅ジュースを作るのに活躍してくれた。老木になって、数年前からは枝もだんだん朽ちてきて、あちこちに穴が開き、もうそろそろ寿命を迎えたかのようにみえた。花も咲かなくなってしまったので、庭師に「もう切ってもらいたい」と告げた。
 すると庭師からは「梅というのは、数年咲かずに実をつけない時期もあるが、また咲きだすこともあるので、しばらく様子を見てくれ」と諭された。一年が過ぎ、二年がたち、梅の花は一向に咲く気配がなかった。そして三年目、なんと二つ三つと花を咲かしたのだ。そのときはもちろん、実をつけることはなかったが、四年目、新しい枝に花がいくつも咲いた。実も少しであるが実った。そして今日、たわわに実った梅の実が、実に六キロも取れる立派な梅の木に返り咲いたのだ。
 一時のちょっとした判断で、大事な梅を切ろうとした自分を恥じた。「人生、まだこれからでしょ。がんばらなきゃ」。そんな励ましを誇らしげに、梅の木が言っているような気がした。”(6月24日付け中日新聞)

 愛知県東海市の主婦・坂野さん(55)の投稿文です。梅がならなくなってもう切ろうかと思って5年、今年は6キロも取れた。本当にこんなことになるのだ、びっくりしました。植物の生命力は凄いですね。疲れれば休む、そして体力を貯えまた勢いを増す。生きる知恵を知っているようですが、それが自然の成り立ちなのでしょう。ボクの家にも梅の木があり、梅酒、梅ジュース、梅干しを作っていましたが、数年前にその土地を売り、もう今は梅の木がなくなりました。20年くらい楽しませてくれました。
 今わが家に面白いことが起こっています。父が植えたミカンの木があります。これこそもう何十年です。そしてここ何年も実がついていません。それが今、結構たくさん実を付けているのです。この後どうなるのでしょう。落ちてしまうのか、食べられるまでなるのか、興味を持って見ています。坂野さんの梅の木のようになったらびっくりです。ボクにも頑張れという事でしょうか。自然の知恵は凄い。人間の知恵は浅はかだ。


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