寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2684話) 停電 

2018年10月11日 | 出来事

 “またまた台風の到来である。ニュースに耳を煩ける。予想どおり午後二時すぎには猛烈な大雨と暴風。風の音と、トタンなどがめくれる音に、心臓が凍る思いがする。外は木がすごい勢いで揺れている。四時ごろ停電する。いつもの調子でそのうちに復旧するだろうと思っていた。一時間待ち、二時間待ち、外はどうにか風と雨は収まったようだが、暗くなってきた。非常用ろうそくを立てる。夕食の時間だが、IH調理器は使えない。とにかく冷蔵庫にある豆腐、納豆、メカブ、ハムなどと、野菜はレタス、トマトをテーブルに並べる。
 小三の孫は「キャンプみたい」と言っている。夫はビールが冷えているうちにと、何本も開けている。小六だった時の伊勢湾台風は道が川になり、玄関の戸を必死で押さえていたことなどを話す。ろうそくと懐中電灯の下、高一の孫は試験が明日だからと、ノートを広げている。「もうすぐだから待っていよう」と孫たちに言葉をかけているが、その気配はない。
 十三年前に新築しオール電化にしたが、今までこのようなことはなかった。水は使えるのでありがたい。十四時間ぶりに電気が来たときは、皆の拍手である。電気のありがたさを十分味わった。”(9月22日付け中日新聞)

 岐阜県神戸町の主婦・片桐さん(70)の投稿文です。台風21号、24号と近くを通った。ボクの家は停電もなかったが、多くの家で停電にあわれた。電線は屋外を通っているのであっても仕方がない。今や家庭の多くの機能は電気に頼っている。この片桐さんの場合のように、14時間も停電したら大騒ぎになろう。停電の時の対応をしておくのは重要なことである。
 ボクは伊勢湾台風の記憶が大きく残っている。ボクらより若い人になると、台風の恐さをあまり知らないだろう。昔に比べいろいろ安全になっているとは思うが、それに甘んじていることはないだろうか。今回の周りを見ていても、あまり危機感が感じられない。外の物も片付いていない。最近は雨戸やシャッターもがない家庭や店もある。飛んでガラスが割れたら思いがけない大事になることは、今回の台風で思い知らされた人も多かろう。
 ボクは安全対策の一つとして、一つのものに頼らないことと思っている。もちろんこれができる家庭とできない家庭があるとは思う。電気が止まったら何もできない、と言うことでは脆い。今回そんな家庭が多かったのではなかろうか。ボクの家はプロパンガスによるガスコンロだし、風呂は太陽温水器とプロパンガスである。トイレは昔のトイレも残っているし、井戸も残っている。考えて見れば昔のものをまだ使っているということになる。ただ遅れているだけだと、言われてしまうのだろうか。


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