寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3735話) マンホールカード

2024年10月04日 | 行動
 “夫は、マンホールカードの収集に熱心である。ご当地のデザインにこだわったマンホールの蓋のカードだ。初めのころは、旅行やウォーキング大会のついでにもらってきていた。最近はカードをもらうためだけに、あちこち出掛けている。
 8月はJRの青春18きっぷを使って福井・敦賀、三重・伊賀、滋賀・大津などに行った。数日前から配布場所や電車の乗り継ぎなどをインターネットで調べてシミュレーションしている。当日の朝は始発の電車に乗るため、4時半に起床。リュックサックを背負って意気揚々と出掛けていく。
 夕方、汗だくになって帰ってくる。だいたい3~5ヵ所ぐらい回って、歩数にすると2万歩前後のようだ。元気に歩き回っているが、7月下旬に心臓のカテーテル手術をしたばかりで、私としては大丈夫か心配している。ある時、「死んだら棺桶にマンホールカード入れてあげようか」と言ったら「そんなもったいないことやめて。俺だと思って大切にして」と返ってきた。聞いておいてよかった。私はてっきり喜んでもらえると思っていたから。
 夫は、ステージ3のがん患者でもある。だけど落ち込んだり悩んだりしている暇はない。今日も三重・松阪ヘマンホールカードを求めて出掛けていった。”(9月3日付け中日新聞)


 名古屋市の主婦・榊原さん(65)の投稿文です。昔からいろいろな収集する人はあった。美術品や骨董品は財産的価値があった。紙類で行けば切手や神社仏閣の御朱印帳があった。それくらいではなかったか。それが今や何でもありの感がする。特に紙類は集めやすい。城だのダムだの、そしてこの話のようにマンホールまであるという。集めてもらう方にしてみれば知恵の出しどころである。それが金銭に繋がることも多い。榊原さんのご主人は健康にも繋がっている。一石二鳥である。一石三鳥かもしれない。続けて欲しいと思う。
 人の趣味にとやかく言うつもりはない。そしてその多くはその人の趣味止まりである。そのまま残されたら遺族は処分に迷うだろう。榊原さんは奥さんに自分だと思って大切にして欲しいと言われた。希望は伝えておくべきである。



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