寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
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(第2479話) 流れる水

2017年07月26日 | 人生

 “今年もアユの友釣りシーズンが到来した。激流に立ち込み、ガガーンと掛かったあの瞬間の醍醐味、一度味わった者は、必ずとりこになるだろう。釣り暦四十年近くになる私も、例外なくはやる気持ちを抑え、やれさおだ、やれ仕掛けだと、日夜没頭するのが通例だが、なんとここ三年余り一度も釣行していない。
 別に釣りが嫌いになったわけではない。実は、体力には人一倍の自信があったが、三度の手術、入院などを余儀なくされ、一気に心身とも、意気消沈してしまった。今でもそのトラウマを引きずっている。毎日、もんもんとしながら、何とかしなければと焦ってみても、もう年だから仕方ないと、半ばあきらめていた。
 とある朝、いつものように暦をめくった。そのときあることわざが目に入った。「流れる水は決して腐らない」。一瞬、パッと何かがひらめいた。そうだ、動かねば。体はともかく、心まで腐っては生きているかいがない。よし、腹は決まった。アユの顔を見に行こう。「流れる水は決して腐らない」。名言だ。これを座右の銘に、一念発起、友釣りに行こう。何分、無理のないように。私には釣り以外、何もないのだから。”(7月8日付け中日新聞)

 岐阜県高山市の滝下さん(男・76)の投稿文です。一寸先が闇の人生であるが、若い時はまだしも高齢になればまさに、先が読めない。脳梗塞などで倒れれば一瞬にし不具者であり、もう完全復帰は絶望である。滝下さんも手術入院から、好きな釣りができなくなった。気力も失せた。加藤さんはそんな時、一つの諺に出合った。「流れる水は決して腐らない」。滞ってはいけないのだ。滞っては腐ってしまう。生きている限り、流れる水でいたい。できる範囲で活動的でいたい。再び友釣りに行く決心をされた。よかったと思う。
 この諺は暦に書かれたものであった。いつものように暦をめくったとあるので、日めくりであろうか。日めくりなど今はとんとお目にかからない。確かに日めくりにはいろいろなことが書かれていた。その日に関わることはもちろん、このように諺も書かれていた。昔は、毎年一つくらい頂いていたものだし、毎日めくるのがボクの役目だったときもある。何が発展するか分からないものである。このような発展に繋がった人も多かろう。この文を読んで買ってきてでも日めくりが欲しくなった。ボクも完全退職して、朝ゆっくりすることが多くなった。日めくりでもめくって、妻との会話にするのも一つの方法だ、と気がついた。
 そしてすぐにネットで探した。もう今年は半ばを過ぎている。日めくりは無理だ。しかし調べて見るといろいろなものがあるものだ。150枚位を綴った「四字熟語」と言う暦を見つけ、購入した。今の次点で暦は余り重要ではない。これで毎日新しい四字熟語を勉強できる。


1 コメント

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流れる水 (はなみずき)
2017-07-28 09:54:12
夫を亡くした当初、茫然自失の毎日を過ごしていました。私の人生は終わってしまったと長年書き続けた日記も止め、ミカン箱三つ分の日記帳も処分してしまいました。これではいけないと思いつつもどうする事もできませんでした。でも良き親戚に恵まれて、また友人達や地域の方々のあたたかい心になぐさめられて少しずつ自分を取り戻す事ができました。
流れる水は腐らないまさにその通りです。
旅に出て心を癒し、友人達とのひとときに癒されながら内に籠らない毎日を過ごす事を心得ました。そのうちに自治会の老人会の幹事を、そして福祉の大役を2年間、今は自治会老人会の大役を皆さんの協力を礎に
4ヶ月が過ぎようとしてるいます。何事もお役をいただくというのは苦労もそれぞれありますが、苦労と思っていたらそれでおしまいです。
私はそれを喜びに代えています。お役をいただいたからこそできる経験や先輩のご苦労も忍ばれます。老ク連の会議に参加して懐かしい同級生に会えたり、国会さながらの討論が始まったり。七回忌も五月に無事に済ませました。願わくばこの先も心の水がさらさらと流れていくように趣味も続け友人達との絆を益々強固にし健康で過ごして行けるように願っています。
「水は流れる」良い話をありがとうございました。
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