寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3152話) 親切な高校生

2021年06月08日 | 出来事

 “病院からの帰り道、電車を降りたホームとは反対側にある改札へ行こうと階段を上ろうとしたら、足が痛くて思うように動きません。足を引きずるようにしてやっとの思いで階段を上がったら、反対側からやって来た男子高校生が笑顔で「大丈夫ですか? かばん、持ちましょうか?」と声を掛けてきました。「ありがとう、大丈夫」と言って歩き始めると私の歩調に合わせて改札まで一緒に歩いてくれました。多少の気恥ずかしさもあり、きちんとお礼を言えませんでした。思いがけない出来事にわが心は温かくなりました。
 このことを帰宅して夫に話すと「勇気ある行為で本当に優しい高校生だ。学校名と名前は確かめた?」と言われ、ハッとした。肝心なことを聞いておらず後悔しきりだった。”(5月17日付け中日新聞)

 岐阜県中津川市の主婦・志津さん(75)の投稿文です。人は性別、年齢など、傾向はあるかも知れないが、様々な人がいるものである。ボクは今の若い人はなどとひとくくりで言うつもりは全くない。そして、この高校生である。する人はするものである。
 ボクは最後のところ「肝心なことを聞き漏らす」に注目したい。人は慌てているときやとっさの時にどう判断するか、どう動くか。これはいろいろ経験した大人であればある程度納得した動きができるはずである。ところがこれが難しいのである。冷静でいられれば、より最適な方法が採れるはずであるが、この冷静が保てないのである。後でああすれば良かった、ああ言えばよかった、これがほとんどである。後で伝えられことである場合はいいが、なかなかそうはいかない。一瞬でことが決まる場合が多いだけに、人生は悔いが多い。


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