“私は高校野球の試合を見ながらスコアを付けるのが趣味で、スコアブックは現在31冊目だ。先日、最初にスコアを付けた試合のページを開いた。1954(昭和29)年8月に兵庫県西宮市の甲子園球場で見た愛知県代表の中京商業高校と静岡県の静岡商業高校による決勝戦だ。スコアの備考欄には「十一月末、優勝旗が消失。八十四日目に近くの中学の床下で発見」とあった。この試合に勝った中京商業のナインが手にした優勝旗が一時的に学校からなくなったのだ。大騒ぎになり、関係者らが必死に捜したところ、翌55年2月に名古屋市内のある中学校の床下から見つかった。誰が置いたのかは今も不明なままだ。
全国高校野球選手権大会は百回目となる今年、優勝旗が新調されたそうだ。三代目という真新しい深紅の優勝旗を目指す球児は、夢舞台の甲子園でどんなドラマを見せてくれるだろうか。開幕が待ち遠しい。”(7月30日付け中日新聞)
愛知県豊橋市の山田さん(男・86)の投稿文です。昨日を以て100回目の高校野球は終わった。金足農業の活躍でこの上なく盛り上がった大会であった。この高校野球のスコアを付けるのが楽しみで、そのスコアブックがもう31冊目だと言われる。昭和29年からと言う。そこには他の思い出も書かれている。もう人生そのもの、宝物であろう。最初からそのつもりだろうか。多分続けているうちにいろいろな知恵が浮かんだのだろう。そして続けると凄い結果を生む。
世の中には様々な収集家がいる。箸袋にマッチに切符に、これらは言うに及ばず、今サッと浮かぶぬが、時折新聞等でびっくりするようなことが報じられる。報道されるという事は価値が見いだされたからである。こんなことと思うことでも、続ければ価値が生じるのである。それ程誰にもできることではないからである。
ボクには思い出の紙くずが、B4版の冊子で150冊くらい、並べれば10m以上あろう。宝物と呼んでいたが、断捨離がはやり始めて、ここ10年前くらいからグッと減らした。ボクには価値があると思っているが、他人から見ればこれこそ紙くずである。もう少し焦点を絞れば価値が出たかも知れないが、そこまで思いが至らなかったのは残念である。HPの随想「私の宝物」(http://terasan.dousetsu.com/zu021.htm)に思いを書いているので読んで頂けるとありがたい。