寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3568話) 先祖のご加護

2023年10月12日 | 出来事

 “最近、先祖や神仏に守られている気がしてならない。7月中旬、仏壇の花を新しくしようと坂を上って畑へ摘みに行く際、高さ40センチほどの段差を前にして突然ふらつき、バランスを崩して後方に倒れ、後頭部を石にぶつけた。しばらく体中がしびれたが、スマートフォンで救急車を呼んだ。搬送先での精密検査で異常は見つからなかった。こぶができたのと切り傷があるぐらいで2日入院して退院できた。災難だったが、傷や痛みが消えるにつれ「大した後遺症もなく回復したのは奇跡だ」と考えるに至った。
 夫らがいる仏壇に多大な感謝を表明して、仏壇の花は晴れて後日替えることができた。“(9月21日付け中日新聞)

 岐阜県恵那市の近藤さん(女・90)の投稿文です。人間自分自身で生きているつもりであるが、多くは生かされているのである。自分ではどうにならない部分が多いのである。近藤さんは階段で倒れたことからそのことに気づかれた。もっとひどいこともあるし、このまま死ぬこともあり得る。それがこの程度の怪我でおわった。もう人知ではない。こうした運の良さを何に感謝するか、近藤さんはそれを先祖のお陰と思われた。先祖に見守られているのだと。
 もっと身近に自分の体を見てみるといい。手足など自分の意思で動かせるものもあるが、自律神経のように意思とは無関係にはたらき体内をベストの状態に保ち続けてくれるものもあるのです。体温や呼吸の維持、発汗や食べ物の消化など、生命の維持に必要なことを自律神経のはたらきによって行うことができているというのです。もう自分の意思ではありません。少しこじつけかも知れませんが、生かされているのです。誰によって、それを近藤さんのように先祖と思う方もいるだろうし、仏様と思う人もいるでしょう。そして感謝なのです。