寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3049話) 人材の育成

2020年11月13日 | 知識

 ”プロ野球の名選手で名監督たった故野村克也さんは監督時代、「財を残すは下、仕事を残すは中、人を残すを上とす」との言葉を大切にしたそうです。
 モノづくり分野での世界的な競争を考えると、日本の各企業では人材の育成と技術の継承が急務といえます。とはいえ私は長年、技術職に従事してきただけに、その道で磨き上げ蓄えてきたものを次代に伝えることが決して容易でないことがよく分かります。教える立場になると、かつてのようにがむしゃらにやればいいわけではありません。時に目線をいったん落とすことも必要となってきます。野村さんの「生涯一捕手」にあやかり、定年まで「生涯一社員」の気持ちで私は仕事に取り組もうと考えています。”(10月19日付け中日新聞)

 三重県四日市市の会社・奥村さん(男・58)の投稿文です。「人を残すを上とす」とは本当に含蓄のある言葉です。人を残すことによってこそ、継続や進歩があります。そして、奥村さんが言われるように、人を育成することは非常に難しいことです。ボクはこのことを問われると、どうやっていたのかあまり自信がありません。
 近年は特に難しいことをよく聞きます。昔は上の言われることは黙って従うことが多かった。黙って従うから伝えることが比較的容易です。分かってからはその人の判断になります。近年は、まず同意であるようです。納得しないと始めない。よく知らない人を納得させるのは難しい。
 このコロナ禍で更に難しくなった。テレワークやリモートで仕事はできるのでしょうが、人材育成はどうでしょうか。顔を合わせて行うことが大切なことだと思うので、更に困難になったし、また偏りが生じる気がします。また経営が難しくなると目の前のことが優先します。人材育成どころではありません。日本の技術力低下や学力低下はよく報道されることです。資源の少ない日本は技術力で繁栄してきた国です。教育の高さで保ってきた国です。今の政策始めどこか間違っている気がしてなりません。課題提供と言うことでこの投稿を取り上げました。よく考える必要があると思います。