NHK シリーズ "ジャパン ブランド" 第2回 "日本式"生活インフラを輸出せよ
なかなかに面白かった。
特に、アフリカで展開しようとしている、「インフラいらずの家」。
微生物利用のトイレは、世界中でありがたがられるのでは?と思いました。
他にも共感できる部分もありましたが、コメンテーター、特に、三木谷さん似のNHKの方のコメントにたびたび いらいら!
いつもながら、本当の仕事の現場を知らないんだなって。
いつも、わかった風で、高みからしゃべっているけれど。
タイの洪水を受けての治水事業。日本の企業グループは、入札を断念。理由が、高値。
同じタイで、鉄道事業で、丸紅と日本のメーカーが落札。ただし、仕様がドイツのDIN規格。日本サイドは、それに合わせたうえで、さらに、高いメンテ技術も売りにして、受注。
かたや失注、かたや受注。
両者の差は、相手のニーズに合わせたかどうか、という風に見える。また、そういうコメントだった。
が、本質はそこにない。
本質は、相手に仕様を書かせないこと。
仕様は、こちらの意図を受けて作らせること。それが出来ていないから、受注失注どちらにしても、苦労するし、受注できても、儲からない。リスクばかり残る。
日本人は、真面目だから、相手の事後の理不尽な要求でも何とか対応する。そうして、コストばかり膨らんでいく。
こういう面では、政治家と官僚がもっと頑張るべき。
トップダウンの国が多いから、日本の政治家と官僚は、もっと(いい意味で)ほらを吹いて、相手に大きな夢を持たせて、その絵の中に、各プロジェクトを落とし込んでいく、ということが必要。
例えば、洪水で被害が出たら、治水だけの問題にしないで、山から海までのトータルな環境パッケージを提案する。
ここに相手が乗っかれば、表向きは入札でも、裏側でいくらでも、日本の得意な仕様に持ち込める。これが、諸外国が行ってきたこと。
中国と韓国は、ひたすら価格だが。
上記のタイの鉄道事業。今までドイツのシーメンス。安全基準なども全部ドイツ。こういうことです。
ドイツのDIN規格のままでは、今回うまく行っても、他の日本メーカーは、また同じ苦労をする。
(自分の経験でも欧州に物を売る場合、ドイツだけはDIN規格が絶対だった。物の良し悪し以前に、これが一番大きな障壁。英仏蘭伊、どこも全部JIS規格で問題なかった。今は、ユーロとなってどうなっているんだろう?)
でも、DIN規格なら、多分、世界どこに言ってもOKでしょう。確かに、厳格。
それなら、JIS規格をDIN規格に合わせるか?そうでなければ、JIS規格でも、世界中通用するような活動を国としてすべき。
こういう知識・視点が全く欠如していました。