a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

a letter from 『送りの夏』vol.10

2023-03-07 18:20:55 | 劇団員リレートーク
たった7日間で、12歳の少女が見たこと。
美しい夏の海辺、
錆びた看板の若草荘、
そこで暮らす4組のカップル…
それぞれ愛する美しい人形と…

少女は心優しい、不思議な人たちとの暮らしを楽しむ。
海に洗われたガラスのカケラを画面に置いて絵を描いている青年。
真夏なのにセーターと手袋をつれあいに着せているお爺さん。
3歳の子供を溺愛して育てている夫婦。
そして少女のお母さんは、物凄いカッコいい男性と一緒にいる。
二週間前に、突然失踪して!

現実にそれぞれのカップルが生きている時も、
同じように優しい愛に満ちた静かな時間があったのだろう。
突然中断されたその日々。

人生の闇、取り返しのつかない過ち、
眼を瞑って消し去りたい瞬間。
一瞬のあり得ない行為のために、死を招いたのか?

ありえない夢を生きることで、償おうとする傷…
 
稽古場に流れるやさしさと、哀しさ。
それは私の闇と、傷と、あこがれの物語を引きずり出す。

4組のカップルの物語はどんどん広がる。
少女には想像つかない世界がある。
芝居でも口にされない、言葉、無言の時間にどんどん観客には見えて来る景色、聴こえてくる言葉。

送りの舟の時、どんな送り日が生まれるのか?

生きる人間の業、美しい愛しい少女がこの秘密の扉を開けるのは、いつだろう。

少女には見えないが、観客には見える溢れるような、愛と、痛みに満ちた物語。
生きていく憧れが、あらゆる現実をひとつひとつ乗り越えていく力になりますように。


演出家、スタッフが勢揃いの稽古場です。


みんな忙しく働いています。


近所のおしゃべりおばさんたちです。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

東京演劇アンサンブル公演

送りの夏

作=三崎亜記『バスジャック』(集英社文庫刊)より
脚本=西上寛樹
演出=三木元太

2023
3/17 Fri 19:00
3/18 Sat 14:00/19:00★
3/19 Sun 14:00
3/20 Mon 19:00
3/21 Tue 14:00
すみだパークシアター倉

全席自由
前売一般3800円 前売U30 3000円
★=Low Price Day 2500円
当日4500円

staff
音楽/中野亮輔(青年座)
舞台美術/三木元太
振付/明樹由佳
衣裳/清野佳苗
音響/島猛
照明/真壁知恵子
宣伝美術/奥秋圭
舞台監督/雨宮大夢
制作/太田昭 小森明子

cast
徳永麻美/永野愛理
徳永晴美/奈須弘子
徳永康之/和田響き
幸村幸一/永濱渉
辻原弘一/小田勇輔
辻原美智/山﨑智子
種村義一/浅井純彦
山下啓太/雨宮大夢
黒田蒼哲/公家義徳
ご近所1/志賀澤子
ご近所2/真野季節

公演詳細、チケットのお申し込みはHPにて

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« a letter from 『送りの夏』v... | トップ | 3月3日の「演劇・映画・芸能... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿