a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

スープ劇場Ⅵ『にんじん』

2012-04-12 15:27:10 | 東京公演
ジュールルナールのあまりにも有名な児童文学、『にんじん』。
三木元太の初演出で、スープ劇場として上演されます。
これまで、なかなか本公演でできない実験的な演劇や、
若い劇団員による企画などを上演してきました。
今回は、三木元太による企画です。

母親から、
虐げられるかのように扱われ、“にんじん”とあだ名をつけられた少年。
2人の兄とは、あまりにも違う態度で接される。
なんとも暗い気持ちになる原作だが、
はたして、立体化された舞台はどのようにみなさんの目に映るでしょうか。
東京演劇アンサンブルの若手を中心とした企画です。
終演後には、“にんじんスープ”を飲みながら、
芝居の話をしましょう。

東京演劇アンサンブル スープ劇場vol.Ⅵ
にんじん
ジュール・ルナール=作
山田珠樹=訳
三木元太=演出



2012年4月14日(土)14:00開演
会場――ブレヒトの芝居小屋 (西武新宿線・武蔵関駅6分)

美術――――岡島茂夫
音楽――――松本憲治
舞台監督――竹口範顕
制作――――太田昭


真実は常に芸術であるわけではない。
芸術は常に真実であるわけではない。
しかし、真実と芸術とにはいくつかの接触点がある。
私はそれを探しているのだ。
―ジュール・ルナール―

にんじん=木戸真紗美

本人は気づいていないだろうが、いわゆる“天然”。
少し良い言い方をすれば、
純真無垢。
先日の児演協新人合同公演では、
これまで見たことのなかった彼女の“少年性”が光り、
エネルギッシュな舞台の中に、
のびやかな時間を作りだしていた。
にんじんでも、この“少年性”が光ることを期待している。

ルピック氏=熊谷宏平

朴訥で無口な父親。
家族のことにも、まるで無関心。
考えてみれば、父親役をやってもおかしくない年になっている。
しかし、たぶん、初挑戦になるのではないだろうか?
ついつい、人の良さが出てしまうくまなので、
原作にあるクールさがどう出てくるか、楽しみだな。

アンネット=神成美忍

何とも微妙で冷たい家族の中に、
いきなり飛びこんでくる異質な少女。
『パパおはなしして』のルルや、
『ラリー』のベスなど、
これまでかわいらしいヒロインをやってきたが、
今回は、もう少し異質な役柄。
舞台をうまくかき回してほしいのだ。

ルピック夫人=奈須弘子

にんじんが言わばコンプレックスを抱いてしまった要因。
この母の態度のために、
にんじんは、暗く、みじめな思いを募らせる。
端的な表現過ぎるが、悪役・・・。
ねずみばあさん、以来かしら。
魅力たっぷりな、憎みきれない母親に、なるのではないだろうか…。


こんな4人のキャストで上演します。
上演時間は1時間とちょっと。
1回限りの公演ですので、
お見逃しなく!!
『にんじん』HP

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