チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

梅雨時の苦労

2011年06月21日 | 日記
 このところ続く梅雨空が、当研究所の情報サービス「関東・東海海況速報」の担当者を悩ませています。
 この海況速報、平成20年4月から運用となった水温分布図で、漁業や海洋レジャーに関わる利用者から好評を得ていますが、発行に当たっては、沿岸測点や船舶からの実測水温、気象庁解析水温、2種類の人工衛星による水温データを基に、PCによる合成処理を経て、関係都県の職員が一定期間の交代制で作図を担当しています。
 今週から静岡県の作図当番になりましたが、ここ数日、梅雨前線の影響で東海沿岸の上空は雨雲に覆われ、人工衛星NOAAからの水温情報がほとんど無いに等しい状況です。もう一つの人工衛星AQUAは雲があっても情報は得られますが、沿岸近くの情報が不足します。頼りになるのは、各地の実測水温のほか、関係都県の海況担当者からのローカル情報や推測案など。最終的にはこれらを総合的に勘案して黒潮の流路を判断し、担当職員が手書きで仕上げます。
 以前のシステム(一都三県漁海況速報、衛星情報はNOAAのみ)に比べ、天候に左右される要素は少なくなったものの、今年6月に入ってから静岡の日照時間は平均2.6時間/日、梅雨空が長く続くとさすがに苦労するようです。
 梅雨の晴れ間を期待するとともに、この時期の海況速報を利用する際に、担当者の苦労を想い浮かべていただけば幸いです。

NOAA衛星のAVHRR水温情報(雨雲に遮られて海面情報が得られないため真っ黒)


悩みながら作図作業する担当者

海況図はこちら
http://fish-exp.pref.shizuoka.jp/01ocean/kouseido.html