去年、京都のリトルプレス書店からイベントのお誘いを受けて、今年の秋に行くってことは決めてたんだけど、何せ改造人間になってしまったこの体。
透析しながらはちょっと難しいかなってあきらめかけてたんだけど、もしかしたら旅行に行くなんてのもこれが最後の機会かなって、2泊3日7回分の透析液を事前に送って透析液の加温器を持参で同僚のサポートを多大に受けつつ少々の無理を押して行ってきた(計画&サポートしてくれた同僚に感謝)。
京都はたぶん27年ぶり。
その時は東京から「青春18きっぷ」という片腹痛い名前の切符で鈍行を乗り継いで長崎に帰る途中。真夏の京都に降り立って京都タワーに登ってぐるりと1周見渡して、「うわ〜暑そうやな〜」って駅に戻って琵琶湖に泳ぎに行ったので、今回が事実上の初京都だったのだ。
しかし、まだ筋力もたいして戻ってないし、何よりお昼には一度宿に戻って透析液の交換をしなきゃならん。
そんな中、ほどよくベタに、ほどよく好み通りに、1200年の都を楽しんできたのでした。
イベントはこちらで。造形作家さんの作品展&編集舎発行の作品集の販売で搬入・設置、初日のみ在店。イベントは10月30日(日)まで。 |
「さくさくロースかつパフェ」「最強エビフライパフェ」「魅惑のアメリカンドッグパッフェ」…古都のパフェ、恐るべし。 |
京都は渋い古本屋が多い。 |
商店街を歩いていたら、いきなり出くわした本能寺。“変”の本能寺とは別の場所に建て直されたものだけど、信長の廟や愛用品を所蔵する大宝殿もあったりする。 |
蛙は知っていた…。信長愛用の唐銅香炉「三足の蛙」というものがあるらしい。 | |
境内にある信長公廟。三男・信孝(三七殿)の依頼で本能寺が建てたらしい。 |
廟の奥にある石塔。 |
イベント会場(書店)から近いと言うので、京都御所に行ってみる。御苑に着いたが、御所はまだ奥…。 | |
やっと建礼門まで着いたけど、一般庶民は左手の清所門までぐるっと回らなきゃいけない。 | |
やっとこさ清所門に着いたと思ったら、「入場は15時20分で終了しました」だって。トホホ…。 | |
せめて蛤御門ぐらい見て帰ろう。 |
銃弾の跡が残る蛤御門の扉。 慶喜は、装束を終えた。頭には烏帽子をいただき、帽子の縁を紫練綾の鉢巻でしめ、紫裾濃の腹巻の上に白地ラシャに黒の四寸ばかりなる葵の紋をつけた陣羽織を羽織り、腰には熊毛の尻鞘をかけた黄金づくりの太刀を佩き、金の采配を手にもった。その姿で、門前へゆらぎ出、やがて乗りこなした飛電を曳かせて乗り、公卿門から蛤御門へと馬をすすめた。馬前には銀幣の馬標が立ち、原市之進ら近侍十人、床几隊百人、講武所小筒組五十人、遊撃隊百五十人、別手組百人、歩兵隊百人、さらに雑人二百人、砲隊十数人がつづく。 戦闘は午前六時すぎから開始され、蛤御門では一時長州人が優勢となり、ついには双方砲戦までまじえ、御所内外で白兵を激突させた。会津兵はしばしば潰走した。筑前福岡兵はその守備陣地の中立売御門を放棄して御所の車寄のあたりまで潰走してきた。慶喜はそれを直接叱咤し、敵へむかわしめた。一橋兵も、強くはなかった。焙烙で煎られる豆のように騒ぐのみで実効のあるいくさができない。最強のものは西郷吉之助が率いる薩兵であった。その統制ある進退はまるで他藩兵とは別人種の観をなした。戦い半ばで大いに進出し、ついに薩摩隊一隊で長州軍に決定的な打撃をあたえ、潰走させた。 (司馬遼太郎「最後の将軍--徳川慶喜--」より) |
3日目、何となく考えていた清水寺〜高台寺〜建仁寺コースは坂が多くて大変そうなので、三十三間堂〜養源院へ。ろくに予備知識もなく行った三十三間堂(蓮華王院)は観音像群、風神雷神と28の仲間たちの素晴らしさに圧倒された! |
後白河天皇法住寺陵。蓮華王院の向かいにある後白河天皇(上皇)の御所・法住寺のさらに奥にある。 | |
法住寺陵の前にむす苔。 |
「血天井」と不穏な立て札のある養源院。関ヶ原の前哨戦で伏見城が落城した際に自刃した城代・鳥居某らの血がついた床板を天井板に使ってるらしい。 |
養源院参道(山門から本堂へ) |
修学旅行生と外国人観光客がわんさかいる二条城。 | |
国宝&世界遺産・二の丸御殿。大広間は慶喜さんが諸大名を集めて大政奉還の方針を発表した場所。 この年、十月十二日、慶喜は京都に駐屯する幕府役人をことごとく二条城大広間にあつめた。諸臣は、みななにごとであろうとおもい、息を殺して上段の間をみつめた。 やがて、将軍が着座した。みないっせいに平伏した。慶喜は政権返上についての文書をよみあげさせ、やがて口をひらいた。 雄弁が、開始された。 「われらの見込みは、これよりほかにない」 「むしろこの判断こそ、神祖(家康)のご盛業を継承する唯一の道である」 (司馬遼太郎「最後の将軍--徳川慶喜--」より) | |
名勝・二の丸庭園。 |
二条城名物?カフェ茶乃逢 二条城店の黄金ソフト¥1,200、生麩付き…古都のスウィーツ、恐るべし。 |
--CONTENTSへ--