青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

タンゴブルー 旅情の夏を 揺さぶって。

2022年09月10日 16時00分00秒 | 京都丹後鉄道(丹鉄)

(海行かば@由良川橋梁)

すっかり天候の回復した丹後半島、フリーパスとクルマを駆使して乗ったり撮ったり。特急たんごリレーで「丹後の海」を堪能した後は、再びハンドルを握って沿線に繰り出した。リアス式海岸の入り組んだ青い海を見ながら、午前中はイマイチなお天気だった由良川橋梁へ。これぞタンゴブルー!という青さを取り戻した由良川の流れに改めて感動。晩夏の日射しに額から流れる汗を拭いつつ、橋梁近くのローソンで買ったクーリッシュで冷たさを取り戻していると、「艦これ」由良号が由良川橋梁をゆっくりと渡って行きます。

旅に出ることの意味や理由。撮影した写真に込めた気持ちや感情。そんなものは人それぞれだけれども、自分のモットーとして、見た人が「あ、行ってみたいな」と思えるような、旅心に繋がる一枚を目指しているというのがあります。今回の京都丹後鉄道探訪については、何のかんのと言いつつこの由良川橋梁に惚れ込んでしまいましたねえ。結局ここで費やした時間が一番多かったのだけど、それだけの魅力を持ったストラクチャーではありましたね。いつ撮っても、どこからどう撮っても、旅心を静かに揺さぶって来る情景がファインダーへ切り取られて行く魔法のような鉄橋でした。

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潮風に 伸びる鉄路と 汽車の影。

2022年09月06日 17時00分00秒 | 京都丹後鉄道(丹鉄)

(長いホームの片隅で@栗田駅)

穏やかな栗田湾に沿って広がる栗田の集落。その真ん中にあるのが栗田の駅。「くりた」ではなく「くんだ」。今となっては持て余す長いホームとその長い有効長は、 かつては急行丹後・丹波・はしだて・大社と数多の急行列車が駆け抜けた旧・宮津線のそれだろうし、そして丹後半島の物資の集散を担って貨物列車が行き交ったのだろう事も想像に難くありません。潮風に錆びて風合いの出た跨線橋と、そんな国鉄時代の思い出を今に伝えるホームの古びた待合室。

仄かに潮風の香る漁村の駅の午後。スカイブルーの気動車が、宮津の街へ向かうおばちゃんを一人乗せて、足早に走り去って行きました。

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京丹後 小町の里で 夏を吸う。

2022年09月04日 17時00分00秒 | 京都丹後鉄道(丹鉄)

(夏の日のひとコマ@京丹後大宮駅)

特急「たんごリレー」が到着した京丹後大宮駅。昔は「京」がつかないただの丹後大宮駅だったのだけど。小野小町が生涯を閉じた終焉の地とされており、駅もそれっぽく平安朝の作りになってはおりますが、小野小町の没地というのは日本中に何カ所もあってその正確性ははっきりしない。いわゆる「諸説あり」というヤツです。京丹後市の中心部は現在隣の峰山駅周辺に集約されていますが、かつては旧大宮町の中心駅で、現在も職員の設置された有人駅。車掌氏と駅員氏のエール交換。

京丹後大宮駅は、2面2線のシンプルな相対式ホームの駅。国鉄時代は合理化で棒線駅となっていましたが、三セク転換時に交換駅へ復帰したのだそうな。何の変哲もない田舎の駅と言ってしまえばそれまでだけれども、上り舞鶴方面ホームにある待合室の雰囲気が秀逸ですね。そして空の青さと照り付ける日差し。特にこの駅を目的にして降りたわけじゃないけれど、忘れられたような日本の夏に会えたような気持ちにさせてくれます。

お盆を過ぎて、お里から街へ戻るのか、大きなキャリアを持った女性が一人乗車。草生したホームから旅立つ街は、京都か、大阪か、東京か。いずれにしろ、夏の終わりをそこはかと感じさせるような、京丹後大宮駅でのひとコマです。

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夏景色 丹後の海で 寛ぎを。

2022年09月02日 17時00分00秒 | 京都丹後鉄道(丹鉄)

(丹後の海、緑の道を行く@岩滝口~天橋立間)

京都丹後鉄道自慢の特急用車両、KTR8000形。二代目のタンゴエクスプローラーとして特急はしだて、線内特急の特急たんごリレー他に起用されています。当初は新大阪からの「タンゴエクスプローラー」、京都からの「タンゴディスカバリー」として、エメラルドグリーンとホワイトのツートンカラーで走行していました。1996年製造と落成して25年を超えそう若くない車歴ですが、2015年以降ドーンデザイン研究所によるリニューアル工事が施され、塗装と内装面を一新。「丹後の海」として再デビューしています。元々卵型のフェイスと縦長のワイドな前面ガラスに特徴のある車両でしたが、新デザインではブルー系のメタリックに塗られたせいもあって、そのヌルっとした海坊主感が余計に強調されているような感じも致しますね。

引き続き沿線に出て撮ったり、「海の京都フリーパス」で乗ったり。再び宮津駅前の駐車場にクルマを投げ込み、丹鉄乗り鉄の人になります。お昼を過ぎてすっかり好天となった丹後半島、宮津の駅のホームから見上げた空の夏らしい眩しさ。宮福線から、線内特急「たんごリレー3号」が入線して来ました。以前は新大阪・京都の二方面から直通特急列車を走らせていましたが、現行ダイヤでは京都方面と「特急はしだて」で一本化。新大阪方面は、新大阪~城崎温泉の「特急きのさき」を受ける形で、福知山から線内特急「たんごリレー」が接続する事で便宜を図っています。

入線した「たんごリレー3号」。ホームからフリースペースのラウンジを覗いてみる。木の格子で組み上げた装飾や、木目を活かした車内ラウンジの座席の設え、いかにもな水戸岡氏のそれな雰囲気。そしてよーく見ると、駅本屋から3・2・1・4番線と並び方がグチャグチャな宮津駅。昔の文献を見ると普通に駅本屋から1・2・3・4の並びになってたんだけど、いつ変わったんだろうな。4番は宮福線の福知山との折り返しだけ、2番は豊岡方面、3番は西舞鶴方面とすると、架線の張ってある1番だけが宮福・宮豊両線方面への列車の発車が可能な配線となっているので、それで1番を名乗っているのだろうか。

ひとまず「たんごリレー3号」の自由席へ。宮津でそれなりの乗客が降りてしまったようで、車内は2~3人の乗客しかおらずガラガラもいいところ。お盆明けで平日の昼間の特急なんてこんなもんか。こっち方面に来たい人だったら、午前中の早い便で来るだろうしなあ。床や荷物棚、手すりにも木材をあしらった車内デザインですが、それこそGWに乗った和歌山電鐵の「たま列車」ほどの複雑なギミックの仕込みはなくて、比較的シンプルにまとめられています。まあJRの特急列車で丹後地方へのビジネス需要も満たさないといけないですからね。そう大きな遊び心も取り入れにくいか。化粧台なんかはオシャレだったなあ。

やはりこの車両はラウンジが白眉ですかねえ。ゆったりとした横掛けのソファ、運転台後ろには簡易テーブルを付け、乗務員室脇の壁を取っ払って前面展望を利かせたお立ち台になっている。ラウンジにいた二人連れが天橋立で下車してしまうと、完全に自由席車内は自分だけの貸し切りとなった。一人静かに流れゆく阿蘇海の景色や与謝野の古い家並み、そして丹後の夏景色をラウンジから眺めているのは、なかなか気分の良いもの。これで車内販売でもあればよかったのだけど、そういうサービスは観光列車だけみたいですね。この列車は網野行きですが、ひとまず京丹後大宮まで乗って行く事にしましょう。

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