青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

劒夕照常願寺

2019年09月27日 22時00分00秒 | 富山地方鉄道

(常願寺七変化@越中三郷~越中荏原間)

朝からあれこれと撮り歩き、動き回る事にも少々疲れた。常願寺川の河原にクルマを寄せて、腕と足元にたっぷりと虫よけスプレーをかけて構図を作ってみる。日が傾くにつれて、うっすらだった背後の立山連峰の山並みがだんだんとその姿を現してきました。湧き立つ雲の向こうの剱岳、そのダイナミックかつ威厳に満ちた姿を眺めながら、ダブルデッカーがTY6で戻って来ました。ゴロゴロとした石の上を飛沫を上げて流れる常願寺の流れ、富山平野を潤すこの川も、有史に名を残す典型的な暴れ川。立山カルデラの大規模な崩落により流れ込んだ土砂が、土石流として街々を襲ったことも数限りのない越中の国の歴史です。

富山平野に陽が傾き、剱岳の山頂が赤く染まって行く。常願寺の鉄橋を渡って行く富山地鉄の列車たち。古くから立山修験と言われた山岳信仰のご神体として、越中富山の人々は立山連峰を見ながら暮らしてきました。豊年万作への願いを込めた祈りであったり、死者が還って行く黄泉の国の物語としての畏怖であったり。今でも多くの登山者がその頂を目指して登山に訪れますが、岩場に囲まれた急峻な登山道は、初心者が行くにはかなりの危険を伴うと聞きます。私の父親は、50の後半から急に登山に目覚め始めたといういわゆる「中高年あるある」のハイカーだったのだけど、まだ自分はヤマは麓からその雄大さを眺める事でコトが足りている。自分もいつか、山に登りたくなるのだろうか。

 


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