青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

東毛の古豪、春を駆ける。

2023年05月13日 11時00分00秒 | 上毛電気鉄道

(街へ出ようよ日曜日@新里駅)

天気の良い日曜日、桐生の街へ出る電車を待つ上毛っ子。ちなみに、群馬の旧国名の呼び方の一つである上毛(じょうもう)というのは、かつて群馬県・栃木県を「毛野(けの・けぬ)國」と呼んだことに始まります。西側を上毛野(かみつけぬ=群馬)、東側を下毛野(しもつけぬ=栃木)とした時代を経て、群馬を上野・上毛(かみつけ)・栃木を下野・下毛(しもつけ)と表記するようになりました。群馬県側では今でも県自体を「上毛(かみつけ)→じょうもう」と呼んだり、県東部を「東毛(とうもう)」、県西部を「西毛(せいもう)」、そもそも両県に跨る地域を総称して「両毛(りょうもう)」と言ったりしますが、栃木側から「下毛」の表記が出て来ないのは、やはり下毛(しもつけ)がどうしても「シモの毛」を想起してしまう事のイメージの悪さに他ならないのではないでしょうか(笑)。

さて、そんな上毛電気鉄道。割と鉄道マニアにフレンドリーな会社で、毎年正月に地方私鉄としては盛大な鉄道イベントをするのが恒例でありました。ご多分に漏れず、コロナ禍の中でここ何年かはイベントも開催されずじまいだったのですが、行動制限の緩和に伴いついに車庫のある大胡駅で春のイベント開催が決定。併せてデハ101の運転が決定しました。デハ101と言えば、昭和3年製造の動態保存されている中ではおそらく日本最古の鉄道車両。引退後は線路の砂利を撒く貨車の牽引に使われたりしてましたが、近年ではファンの貸し切りやらイベントやらで動くのが主な役目。そのイベントがコロナで消えてしまったのだから、オフィシャルな形では久々のお出ましとなりました。

以前は乗客を乗せて中央前橋~西桐生を何往復かするのがイベント運行でのパターンでしたが、さすがのご高齢と見えて、今回はAM西桐生・PM中央前橋での車両見学会のみ。大胡車庫からの回送シーンを春の雰囲気の東新川付近で狙ってみました。久し振りに東毛を駆ける古豪、ピカピカの少し小ぶりな可愛らしい車体にリベット打ちの武骨さもあって・・・古豪健在。こちらも14年ぶりに、何とも美しい姿を見る事が出来ました。


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