青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

淡々としかし着実に

2018年01月27日 10時00分00秒 | 飯山線

(遅れ131D@信濃平~戸狩野沢温泉間)

戸狩野沢温泉の駅で、後ろの1両を落として単行となる131D越後川口行き。遠く高社山を望みながら所定の時間を7~8分遅れてやって来ました。ダイヤ的には戸狩の駅で解放の時間を11分取っているので、そこで遅れを吸収する算段なのでしょうか。分割シーンを撮りたかったので駅に近い踏切で構えましたが、飯山線沿線でも屈指の撮影地である信濃平の田園地帯、今は目が痛くなるほどの一面の雪景色です。


戸狩に到着した131D。駅を見下ろす跨線橋から131D→132Dの組成風景なぞを眺めてみようと思います。まずは越後川口へ向かう先頭車両と、戸狩で折り返す2両目の車両の切り離し。時間が押しているので、ホームに降りた係員の方はしきりに腕時計に目をやって忙しない感じ。急げ急げ。


戸狩で2両目から先頭車両に移る乗務員、飯山色の入れ換え準備に取り掛かる乗務員、折り返し132Dの乗務員がホーム上を慌ただしく動き回ります。乗客より明らかに運転関係の職員のほうが多いのはご愛敬(笑)。いかにも運転の要衝と言う感じがしていいじゃないですか。


131Dに乗務してやって来た乗務員はここでインターバルのある行路のようです。女性乗務員の方がトランクを抱えて小走りに駅舎の方へ。長野→戸狩を運転して来た乗務員はここで休憩、長野から131Dのケツにぶら下がって来た乗務員はここから運転、164Dで戸狩に来た乗務員が入替作業→132Dの運転。そんな感じなのかな。


戸狩到着で7~8分の遅れを、大急ぎの解放作業で3分に詰めて131D越後川口行きが戸狩を発車。運転席には保線の係員が乗務しているのが見えますが、大雪の予報が出ていましたので警戒の意味も含めての乗務でしょうか。


131Dが出ると、164Dで戸狩に到着していた飯山色が入換の作業に入ります。1時間半ぶりに動き出す飯山色。戸狩の駅には引き上げ線などはありませんので、飯山色は一旦十日町側の本線に逃げてから係員が転轍機を操作しての入れ替え作業になります。

 

電話で駅務と信号の開通確認を行いながら係員がテコを動かすと、転轍機の矢羽がクルリと回って進路が開通。本線上での作業が出来るのも、まあローカル線っちゃローカル線らしい風景かもしれない。傍らに「入替作業5つの確認」という注意喚起が掲示されていますが、「1.転てつの定位 2.駅扱いテコの定位 3.踏切テコの定位 4.無線機 5.手旗」とある。


運転士と係員が窓越しに軽く確認の挨拶を交わし、開通した進路をホイッスル一発鳴らして進む飯山色。132Dでは一般色の次位についてしまいますので、精悍な幌付きのエンドは隠れてしまうのが実に勿体ない。連結の直前まで連結器のカバーは付けたまんまなんですね。


入替作業の風景が好きだ。鉄道の魅力の中に「システマティックに構築されたものを愛でる楽しさ」というものがありませんか?。それは精緻に極まるダイヤだったり、信号扱いの規則だったり、駅の配線だったり人によって色々かなと思うんだけど、自分はその一つにこの「入替作業」というものも含まれているんじゃないだろうかと思う。一見淡々とこなされているルーティーンに見えて、眺めていると実は必然を積み上げた結果作り上げられた確固たるメソッドである事が分かります。

鉄道が一番担保せねばならない安全確実な運行のため、繰り返し、繰り返し。
今日も淡々と。しかし、着実に。
コメント
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