この床の間はスノコではなく畳床でした。
最初は具合が悪くヨセからは一分以上も持ち上がり、寸法も悪く酷い状態でした。





欅で作った自製の中紋用目押し、使用した表は流備(龍鬢)です。

縫い止めやムラカイを施しました。


床の間は壁側が上前となります。 この床の間、上前にも曲がありました。


流備表、小目。 今使用しているこの表は本当に綺麗です。

・・・本来なら筋無しが良いのですが手元に無く。

使用したのは金中紋。 寸法に合わせ縁を止め、縫います。

素框ですので寸法のアタリ具合で多少、紋を出します。 そうしないと敷いた時、紋が欠けてしまいます。 その時の畳の状態に見合った勘(経験)が必要です。

紋縁は目線によって床柱側をピッタリに 反対側を多少出気味にすると両方、丸々紋が出るように具合良く見えます。

上前の目も あまり谷に近いと敷いた時、チラに見えてしまうこともあるので調整して。

上前の紋縁は壁側の紋が欠けないように。 少しでも欠けると敷いた時、目線で大分欠けた紋に見えてしまいます(涙)



具合良く収まり見違えました

床の間は紋縁のつけ方一つで大分印象が変わってしまうので注意が必要です。
寸法や使う紋縁によっては紋の形に気をつけながら、縮めたり伸ばしたりと具合良く仕上げたいものです。
・・・何でもそうですが畳の仕事は難しいですよね、ご同業の皆様。