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畳刺 父ちゃんの日々

千葉県印西市で畳店を営む父ちゃんが 日々体験した事などを気ままに綴っていく日記です。

床の間

2010年03月03日 | 床の間
床の間仕事について。
この床の間はスノコではなく畳床でした。
最初は具合が悪くヨセからは一分以上も持ち上がり、寸法も悪く酷い状態でした。


  
  
        
        

  
欅で作った自製の中紋用目押し、使用した表は流備(龍鬢)です。 
  
         縫い止めやムラカイを施しました。
        
  
           
床の間は壁側が上前となります。 この床の間、上前にも曲がありました。
       

   
     流備表、小目。 今使用しているこの表は本当に綺麗です。
       
・・・本来なら筋無しが良いのですが手元に無く。
           
使用したのは金中紋。 寸法に合わせ縁を止め、縫います。
       
素框ですので寸法のアタリ具合で多少、紋を出します。 そうしないと敷いた時、紋が欠けてしまいます。 その時の畳の状態に見合った勘(経験)が必要です。
   
紋縁は目線によって床柱側をピッタリに 反対側を多少出気味にすると両方、丸々紋が出るように具合良く見えます。
       
上前の目も あまり谷に近いと敷いた時、チラに見えてしまうこともあるので調整して。
   
上前の紋縁は壁側の紋が欠けないように。 少しでも欠けると敷いた時、目線で大分欠けた紋に見えてしまいます(涙)
      

      


  
             具合良く収まり見違えました
     

床の間は紋縁のつけ方一つで大分印象が変わってしまうので注意が必要です。
寸法や使う紋縁によっては紋の形に気をつけながら、縮めたり伸ばしたりと具合良く仕上げたいものです。
・・・何でもそうですが畳の仕事は難しいですよね、ご同業の皆様。

床の間

2008年10月22日 | 床の間
よくある事なのだが大抵の床の間できちんとした仕事を見たことが無い。
今回、写真が取れたので修正前と修正後の床の間をUPしてみます。

今回の床の間は結構酷い。
下見に伺った時、よくこれで御代が貰えたものだと思うほどだった。
基準の紋も欠け、表はダルダルで持ち上がってしまっていて縁のキセが鰍ゥりすぎてめくれて縁巾もイイカゲン。
おまけに大工さんもスノコの作り方を知らず適当に作ってある。
 
    
                  まずは修正前
        

   
             タルキが縦に打ってある
        
        おまけに表は裏面でタッカー(ホチキス)止め。

        
カマチ止めのタルキも端から1寸以上離れて止めてあり、タルキは四角に釘が打っていて反りが鰍ッられない状態。

まずはスノコのタルキをばらして
      

足の付け替え作業。
    
カマチ止めのタルキは、端から8分のところ。

    
あいだのタルキは等間隔で打ち直し。

次に紋べりはスノコの寸法だと半文大きいので丸々を出すため縮める事に。
  

    

    
台座に乗せてちょうど良い具合に縮みました。

表を寸法に裁断してかがり止め。

  

まずは目押しをして・・・
        
    同級生の材木屋さんから頂いたケヤキで作った中紋用目押し
   

仕上がった時、紋縁がきちんと丸で出るよう、表の張り具合を考慮して紋縁の位置を決め平刺しをする。
平刺し、返しが終わったら台座へ絡め綴じ縫い。

  

  

  

    

縫い付けが終わったら完成!!

  
            紋縁も丁度良い具合に
  


完成です。紋も具合良く仕上がりました!