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畳刺 父ちゃんの日々

千葉県印西市で畳店を営む父ちゃんが 日々体験した事などを気ままに綴っていく日記です。

裏返しの切合わせ工事

2017年09月02日 | 裏返し
おかげ様で毎日忙しく、プライベートでの休みが全くありません。
コチラは先月納めました我孫子市のお得意様の施工です。

代々続く布団屋さんで、築100年以上経つ母屋の解体工事の為、数年間に渡り入れ替えて頂いた和室の畳を利用して工場広間の畳と交換してもらえないかというご相談でした。
合計5部屋(30,5枚)+展示場(30㎜厚、10枚)の移動と切合わせ工事がスタートです。

※切合わせとは
畳は1枚1枚大きさが異なるため、別の部屋に畳をそのまま敷いても入りません。
そこで移動する部屋の寸法を測りその部屋の畳に合わせて寸法を直し作り替える作業の事を言います。


展示場の畳はそのまま別の展示場へ移動。
広い洋間にただ置くだけですので切合わせ工事は無し。

工場広間(32畳間)の採寸をすまし、施工開始。



表替え工事なら畳の巾を増やす事も可能ですが裏返しとする場合、丈は多少伸ばせても巾を大きくする事は出来ません。
各部屋の寸法用紙を保管しておりましたので確認しながらどこに使うかを決め、作業を進めます。
厚みも2部屋の畳は1寸8分(55㎜厚)、3部屋は2寸(60㎜)と違うため使う場所にも気を使います。
施工中は忙しく写真どころではありませんでした(大汗)

工場広間ですので通常より伸びていて、足りない寸法の分は得意の巾木でカバーします。
清糟縺A床下の湿気も酷かった為、防湿シートを敷きました。















寸法が足りない分の巾木を入れ、工場広間の裏返し切合わせ工事が完了です。
厚みの違う畳ですが、畳の施工方と最後の高さ調節で違和感なくピッタリですok

毎度お世話になり有難うございました。
解体した築100年の母屋には素晴らしい柱、木材、建具等が満載でしたので正直沢山欲しいものがありました。
あれだけの物は現在どれだけお金を出しても買えませんので本当に勿体ないなぁとシミジミ思いました。

今回もお客様には大変お喜び頂きました。


我孫子市布佐、工場直売、布団の事なら何でも!
篠崎製綿工業(株)

良い品物は、やっぱり違う!

2014年09月02日 | 裏返し
本日施工した四街道市のお得意様の裏返し工事です。

    

10年前、あつらえて作ってもらったワラ畳床に熊本産の畳表(特上品クラス)を付け、新畳に入れ替えた部屋の畳です。
前回はまだまだ綺麗でしたので他の3部屋だけを施工し、今回は全ての部屋をという事で入れ替えた間付き2部屋(14畳)は裏返し工事となりました。


    
        やはり良い畳表は違います、綺麗な退色、良い艶です!


裏返し工事を勘違いされているお客様が偶にいらっしゃいますが、敷いてある畳を持ち上げてひっくり返して裏面を使う訳ではありません。
畳の裏は使える訳でなく、そのまま裏面なのです。


    
      まずは、畳表を縫い付けてある糸を切り解き、畳縁も剥がします


    

品物により3~5年で裏返しを考えた方が良いのですが、良い品物ほど綺麗で長持ちしますのでコチラの品物、10年経ってもこの綺麗さです!!

注)良い品物を付けても部屋の環境や使い方、普段の手入れにより綺麗にならない場合もあります


    
     10年経過した畳表とは思えないほどの綺麗さ、まさに銀白色です!!kirakira2


畳表を裏返し、畳床に縫い付け、新しい畳縁を縫い付け、裏返し工事の完成です!

    

    

今回の畳は自分でも驚くほど綺麗になりました。
やはり、良い物は違うと実感した裏返し工事のお話しでした。



畳替えを考える際にはまずは予算や部屋の使い方で品物を選ぶ事になりますが、もし少しでも余裕があるなら、なるべく良い品を選ぶのがお得です。
長い目で見た場合、良い品物ほど長く綺麗に使えますので、その時に高額になったとしても年数で考えれば安くなります。
また、耐久性の劣る中国産を選ぶよりも、しっかりした国産の畳表を選びましょう!

品物の違いはお近くの畳屋さんにぜひ聞いてみてください!
地元に根付いた畳店であれば、必ず色々教えてくれると思います。
値段だけでは中々違いが分かりませんが、品物を見れば畳ほど判り易い物はありません!

お部屋の畳、どういった品物が使われているか分かりますか?
その畳、気に入っていますでしょうか?
我々畳職人は国産畳で気持ち良く快適に過ごし、やっぱり畳は良いなぁと感じて欲しいといつも思っています!!




裏返し

2010年01月18日 | 裏返し
今日は裏返し工事でした。
そういえばブログで裏返しを説明した事がなかったので《裏返し》の基本的な説明を。

畳工事の《裏返し》とは、畳の畳表を剥がし、裏面を使用する作業(工事)のことを言います。 畳の縁も新しいものに付け替えます。
たまに勘違いされているお客様もいるのですが、敷いてある畳を持ち上げ、裏面に敷き変える事ではありません。

 

裏返しの目安は3年~5年で、畳表の傷みが酷くない事、シミなどが無い事が条件になります。

 

新畳や表替えの時に良い品物(畳表)を使用すると裏返し時には、非常にキレイに仕上がりますし、裏返してからも長持ちます。

   

    

今回のお客様の畳表は前回(5年前)、良い品物を使用して頂いていますので非常にキレイに仕上がりました。


畳表は品物によって、 綺麗さ 丈夫さ が違います。
良い品物ほど年数が経ってからも綺麗で長持ちし、飴色(黄色)に変色します。
質の劣る物ほど耐久性に劣り、黒筋が出て茶色に変色します。

新しいうちは良いのも安いのも同じという方もいますが、本来まったく違います。
月日(年数)が経つに連れ、歴然とした差が現れます。
畳工事をする場合、(年数を使うことを考えれば)良い品物を使用した方が断然お得なのです。



裏返しの金額も品物、仕事により異なります。
大抵の畳屋さん(当店でも)では一般の裏返しの場合、 バッタ返し (上前の畳の目が目乗りにならない)をするはずです。
上級の物や茶室仕事など仕事によっては上前を上前として裏返す 方返し をします。
その場合、下前の寸法を直す手間が鰍ゥる為、普通より金額が上がります。


うちでの裏返し時のちょっとした一手間。
霧を吹いてなじませてから平刺し部分を《目消し》などで押してやると 刺し膨れの心配がありません。