フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

おまわりさん

2006-03-21 23:25:29 | Weblog
ハーバーヒルの夜更け、フェンネル氏の家のドアをトントンとノックする音がします。誰だろうこんな夜更けに。寝床から起きだして玄関のドアを開けてみました。「かぁさん」
「はいはいはぁ~い」パンプが立っています。その後ろに制帽と制服を身に着けたおまわりさんが二人立っていました。「フェンネル氏ですか、こちらのおばぁちゃんですか」「はい」「向こうの道路に立ってました。少し様子がおかしかったので声をかけましたところ、余り要領を得ませんでしたので、お名前をお聞きしたらこちらだということでお連れしました」「ありがとうございます。いつ居なくなったのか、全く気づきませんでした
気をつけます。」「あぁよかった。ここじゃなかったらどうしようかと思ってました。」
と若い方のおまわりさんが言いました。「名札かなんかお付けになった方がいいと思いますよ」と今度は少し歳を取ったおまわりさんがいいました。「パンプ・フェンネル ハーバーヒル20 電話番号は、らりるれろ~」パンプは、歌うように言いながら部屋にはいって行きました。おまわりさんが帰ってからフェンネル氏は考え込みました。どうすればみんなにとっていいのだろうかと。鍵をかけるナンセンス。門を閉じる塀がない。縛る繋ぐバカみたい。だってアボとガボも放れているのに。そうだ名案!人は石垣、人は城で行こう。あのおまわりさんにパンプのことを覚えてもらおう。もう何回か捕まえられたらむこうも嫌でも覚えるでしょう。ちょっとお気楽フェンネル氏、明日になればとつぶやきながら寝室に戻っていきました。
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