「原発と映画」プロジェクト準備ブログ

原発に関する映画の紹介をメインに2011年から書いているブログです。

「残されし大地」という映画があるそうです。

2016-10-17 10:41:49 | 原発の映画(観てないもの・上映情報等)

映画「残されし大地」“LA TERRE ABANDONEE”(原題)
(ジル・ローラン監督/ベルギー/マルセイユ国際ドキュメンタリー映画際正式招待作品)

2011年の福島原子力発電所による事故のあと、帰還困難区域として指定された富岡町に独り残り続け、動物の保護活動を続けることで有名になった男性と、傍らに寄り添う寡黙な父。
人気のなくなった町の中、今もひたすら畑を耕し続ける老人とその傍らで折鶴を作る妻。...
南相馬の仮設住宅に住む夫婦は、お彼岸の墓参りをしながら放射能測定器を片手に「翌年こそ」の帰還を先祖に誓う・・。
淡々と進んでいく日常生活の中で、彼らが自然体で紡ぐ言葉の中に「ある日」を境に、かつての故郷を失った人間たちの今とこれからが見えてくるーー。

5年前に福島を襲った「不運のその後」をある視点を持って描き出すことで、観る者に「土地と人」との切ろうとしても切れない強い結びつきを考えさせる。
しかし“反原発”というスタンスをベースにしながらも、それだけを声高に語るわけではなく、土地本来の持つ変わらぬ自然の美しさを切り取り、感じ取ってもらうことに、監督としての静かな抗議が込められているとも言えます。

監督は日本人を妻に持つベルギー人で、本作が処女作そして遺作となるジル・ローラン。
長年、主にヨーロッパの映画界でサウンド・エンジニアとして活躍してきた彼が妻の母国である日本に移り住んだあと、自らメガホンを取ってもと選び取った題材が「福島」でした。
しかし、祖国ベルギー・ブリュッセルにて編集作業のために一時帰国し、
それが最終段階に差し掛かったころ、地下鉄テロで命を落とすという思いがけない出来事が。映画はプロデューサーや同僚らの悲しみを超えた努力によってその後、完成しました。

福島、そしてテローー。
期せずしてダブルのドラマが織り込まれた本作品。衝撃的なニュース性を持ちながらも、映画そのものは人ならば誰もが持つ“五感で感じる”という、どこか肉体的な心地よさにも満ちています。
身を委ねたくなる美しい景色、耳に心地よい音、そして美味に映るもの・・それらをこよなく愛し、鋭敏な感覚を持っていた監督、
ジル・ローランの感性が、直接、観客の五感にも心地よく響くことが予想されます。

まさに「命を懸けて、命の尊さを描いた」本作。

今はこの世にない、かつて存在した監督の身体に備わっていた感覚が、ひとりひとりの中にその都度、蘇る“不思議な装置”でもあるこの映画・・・それは本作の持つ本来のメッセージが伝わることと
同時に、亡き監督本人にとっても癒しとなることでしょう。

2015|ベルギー|72分|カラー|
制作:CVB Brussels (http://www.cvb-videp.be) プロデュース:シリル・ビバス

監督:ジル・ローラン 
PROFILE :1969年ベルギー、バストーニュ生まれ。
在ブリュッセル芸術学校INSAS(http://insas.be)にて録音技術を学び、サウンドエンジニアとして活躍。主にヨーロッパを舞台に多くのドキュメンタリー、フィクション映画の製作に参加。2005年、映画”The Roof”にてマルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀レコーディング賞を受賞。参加した日本公開作品には「闇のあとの光」(2012カルロス・レイガダス監督 カンヌ映画祭・監督賞受賞作品)、「チキンとプラム煮 〜あるバイオリン弾き、最後の夢」(2011 マルジャン・サトラピ監督)など。
(参加作品の一覧:インターネットムービーデーターベスよりサウンドエンジニア、Gilles Laurent分
http://www.imdb.com/name/nm5428363/?ref_=fn_al_nm_2 )

 

    ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   

☆東京新聞の記事が全貌を伝えてくれます。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016092002000260.html

☆鵜戸さんが書かれているブログはこちらです。映画上映についてのことはフェイスブックで発信されているようです、このブログからフェイスブックにはいれます。

http://gillesfilm.hatenablog.com/entry/2016/08/27/162755

☆9月27日を皮切りに、ベルギー本国での上映が始まったそうです。

☆プレミアム上映ということで、日本では10月1日(高崎)、10月16日(京都)で上映され、2017年3月から劇場公開が予定されているそうです。

京都の上映会の様子はこちらから

http://kiff.kyoto.jp/news/detail/150

 

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ベルリンのウラン国際映画祭おわったそうです

2016-10-17 09:03:39 | 原発の映画(観てないもの・上映情報等)

今年で六年目となるベルリンのウラン国際映画祭は、今まで300本以上の核関連の映画が上映されているのだそうです。

以下のHPには、今年の注目のドキュメンタリー映画などが解説されています。核実験や核事故に関わる健康被害(直接の被害とともに、後処理に関わった人々への被害も)に関しての映画など注目だそうです。

http://uraniumfilmfestival.org/en/atomic-films-in-berlin-2016-four-highlights

おそらくは日本ではみられない貴重な映像もあったと思います。

残念ながら私は英語がわからないのですが、すぐわかる人もいると思い、リンクしておきます。

自分でも翻訳誰かに頼むなどして、内容を理解できたならまた書きます。

日本では、東京平和映画祭も今年の予定がなかなか発表されないなど、原発の映画の映画祭は、ますますむずかしい状況も感じますが、被害現地から離れている場所の方がやりやすいということもあるのかとも思います。

引き続き気にしていきたいと思います。

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