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「信長協奏曲16」石井あゆみ

2018年01月15日 | コミックス
本能寺の変で死ぬつもりなのか・・・?

信長協奏曲 16 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
石井 あゆみ
小学館


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今は亡き竹中半兵衛が突き止めた「秀吉の真実」は
ついに、サブローの耳へと入る。
早速秀吉を呼び出すサブローに、織田家の主従関係崩壊の危機!?
一方で織田家優勢に傾く中国攻めの戦況に、
毛利方にもついに動きが…!


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いよいよ、「その時」が迫ってきた感のある、本巻。
初めから、密かに信長への敵意をむき出しにしていた秀吉が、
いよいよ本領を発揮し始めています。
・・・それにしてもこの展開だと、
本能寺で信長を倒すのはどう見ても秀吉ということになってしまう。
・・・ううむ、いったいどんな展開で正しい歴史に結びつくのか、
いよいよ著者の腕の見せ所ですね。


サブロー信長は、おぼろげながら「本能寺の変」で自分が死ぬことを知っています。
しかし、意外にも彼の心境は・・・。
彼は自ら京都の宿舎として「本能寺」を利用することを提案。
事情を知っている明智がいいます。

「本能寺の変で死ぬつもりなのか・・・?」

「いやー、俺だって死にたかないのよ? 
でもさー、本能寺の変で信長は死んどかないと、歴史変わっちゃうでしょ? 
歴史のことよくわかんないけどさ、
一応俺なりには今まで信長の歴史に沿って天下目指して生きてきたつもりなのよ。
なのに本能寺だけちゃっかり避けるっていうのは
なんか申しわけないっていうか・・・
信長の人生がそこで終わるなら、
それに従うべきじゃないかなって。」

ひゃー、サブローはここまで達観した大人だったんですねえ・・・、
というか、もともとこんな風に冷めていたところもあるのか。
けれど、いやしくも「信長」として多くの人を束ね、
多くの戦を勝ち抜いてきたこれまでの経験が、
彼をここまで育てたということも確かです。
そして、同じく未来からきて、この時代で散っていった人物を
見てもいるわけですし・・・。


いいよね~、サブロー信長。
「女城主直虎」に出てきた信長は、ものすご~く怖かったけど・・・。
そうそう、「直虎」つながりで本巻には井伊万千代くん登場!! 
安土城完成のお祝いを持ってきた徳川家のお使い。
著者のサービスでしょうね。
ウレシイ!
万千代くんはサブロー信長と妙に気が合っているようでした。


・・・ということで、目が離せない先行き。
待たれる次巻!!


「信長協奏曲16」石井あゆみ ゲッサン少年サンデーコミックス
満足度★★★★☆



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