小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

「大奥づとめ」 ドロドロじゃない!

2021-05-05 15:10:04 | 読書

永井 紗耶子著

「大奥づとめ」

 

 

私が大奥へ上がりましたのは、16歳の時でございます。

家斉公の御世、文政10年。

このとき大奥には、上様の御側室の数が20人とも40人とも言われ、

御子の数も50人にのぼるとか・・・・

それは華やかなものでございました。

 

で始まるこのお話

 

この上様のお手付きになるためのドロドロ話かと思えば

さにあらず

大奥に入って、与えられた仕事に邁進する女性たちのお仕事小説です

 

目次

ひのえうまの女

いろなぐさの女

くれなゐの女

つはものの女

ちょぼくれの女

ねこめでる女

 

みんなそれぞれの事情があって大奥で働くことになった

その事情を一人称で語るように書かれていて、とても感情移入しやすい

 

入った時にはみなそれぞれ自己肯定感が低いのですが

生き生きと働く先輩たちの助言があったりその姿を見て成長していきます

 

顔は今一なのにお手付きを狙って奮闘する先輩

美人過ぎて悩む先輩

 

主人公も先輩もキャラがとっても面白い

 

特に好きだったのはくれなゐの女

 

庄屋の娘お登勢

何不自由なく育ち、本来なら縁談も降るようにくるはずだが

いかんせん、体が大きい

縁談話のない彼女に

「この娘は大奥に向いてる」

と言われ、トントン拍子に話が進みます

 

大奥には男性が上様以外はいない

でも力仕事は山ほどある

というわけで、彼女の体格が望まれたわけなんですね

何と籠かきまでやらされます

 

何ごとにもめげない夕顔という先輩の生き方を見ていくうちに

丸めていた背が真っ直ぐに伸びていくさまが読んでいて気持ちがいい

これからも頑張って~とエールを送りたくなります

 

 元気をもらえる明るい小説です

お勧めです

近頃文庫本でも出ました

 

永井紗耶子さん、初読みの作家さんでした

他の本も読んでみたいと思いました

 

 

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 薔薇 | トップ | 絆創膏 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事