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小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

あしたの華姫

2020-10-08 19:30:34 | 読書

畠中 恵著

あしたの華姫

 

 

「まことの華姫」の続編

 

畠中さんの本ですが、華姫にはあやかしは出てきません

 

主人公は

華姫

と言っても華姫は木偶人形

月草によってしゃべります

 

月草は今風で言うなら腹話術使い

この華姫、本当にかわいらしい

軽妙な喋りとルックスで

おっかけまでできているという人気ぶり

 

華姫が本当に意思を持ってしゃべっているのではと

勘違いしてしまいそうになります

 

 

今回は、ここ両国

芝居小屋、寄席、見世物小屋、茶屋、食べ物屋が並んでいる

そこを仕切る地回りの頭が

娘と一緒に麻疹にかかったからさあ大変

もし何かあったら跡目がどうなると

跡目争いが起きます

 

そこに華姫と月草が巻き込まれ

今回は華姫の追っかけたちも手伝って解決していくというお話

 

やっぱり頭というのは

それ相当の実力がないと務まらないんですよね

 

 

力を入れなくて読める本は好き

 

華姫がシリーズ化されることを期待しています


横道世之介

2020-09-06 19:32:50 | 読書

吉田修一著

「横道世之介」

台風10号の為、今日は読みかけていたこの本を読み上げました

 

近頃は時代小説オンリーだっただけに

とても新鮮でした

 

吉田修一さんの本では

「悪人」 「怒り」 朝日新聞に連載されていた「国宝」

を読んでいました

 

大学進学で上京してきた世之介君

そんな世之介君の一年間の成長(?)物語

 

彼が知り合いになったあの人この人

その人たちが何十年後に

横道世之介君っていういいやつがいたよな~

ってふっと思い出す

 

そんな彼のお話

 

お勧めです

 

庭の梅の木に巣を作り卵を抱き

そして雛が孵り、

後、数日もすれば巣立つだろうと思っていた小鳩二羽

台風さえこなければ、巣立つ感動的な姿をみることができたのに

 

今夜の台風の暴風雨に吹き飛ばされなければいいのですが

もう巣から出て、羽ばたいたりしながら梅の木の間を自由に歩き回っています

 

今日も朝から親鳥が二羽一緒に飛来してきて

餌を与え、ついておいで、もう羽ばたけるでしょ?

みたいな感じでうながしていたのですが

 

まだここがいいよな~

みたいな感じで梅の木から離れませんでした

 

どうなることやら・・・

 

台風10号

伊勢湾台風級というので

カセットボンベを買い足したり

カップ麺やパンを買ったりと

今までやったことのない用意をしました

備えあれば憂いなし

 

どうなることやら・・・

 


ぬるま湯のカエル

2020-06-08 10:01:11 | 読書

ムラサキツユクサ

 

 

トキワツユクサ

 

 

ドクダミソウ

 

 

まだまだ不安が残るものの

いつもの日常が戻ってきつつあります

 

卓球もスポンジテニスも始まりました

 

しかし、あれほど、いつもの日常に戻りたいと思っていたのに・・・

 

数か月の自粛生活で

ぬるま湯のカエル状態になっていました

まったりとした家で過ごす時間が心地良くなっていたのですね

 

だからぬるま湯から抜け出るのにエネルギーがいりました

 

自粛生活の間、本を随分読みました

市民図書館でネット予約すれば本が借りられて本当に助かりました

 

諸田玲子著

嫁ぐ日 狸穴あいあい坂

宮本紀子著

始末屋

雨宿り

田牧大和著

縁切寺お助け帖

鯖猫長屋ふしぎ草子(8)

西條奈加著

わかれ縁

泉ゆたか著

髪結百花

宇江佐真理著

日本橋石町やさぐれ長屋

志川節子著

かんばん娘

誉田龍一著

日本一商人茜屋清兵衛奮闘記・危機一髪

東野圭吾著

希望の糸

山本周五郎中短編秀作選集

 

希望の糸以外は全部時代小説です

 

昨夜読み終わったのも時代小説

梶よう子著

「三年長屋」

 

 

時代小説の中でも、特に長屋物が好きです

この三年長屋も

笑いあり涙あり

市井の人々の悲しみ喜び

そしてお互いの助け合いが描かれています

 

こんな時期に読むにはぴったりかもしれません

 

ところで今年は梅の実があまり生りませんでした

完全に裏状態です

 

 

家庭菜園のミニトマト、ピーマンは密集、密接して実をつけています

キューリはもうずいぶん食卓にのぼりました

採れたて、それも自分ちの庭でできたのを食べるって格別な味がします

 

さあ、またがんばろ~っと!

 


日本橋本石町 やさぐれ長屋

2020-04-29 10:43:22 | 読書

 

 

宇江佐 真理著

「日本橋本石町 やさぐれ長屋」

 

やはり絶対の安定感のある文章です

間違いがありません

はずれがありません

 

市井の暮らしぶり

人情

人間の心理

これらの描きかたが秀逸です

 

この中で

「みそはぎ」

という章があります

 

やさぐれ長屋の住人の一人おすぎ

おすぎは母親と二人暮らし

 

その母親が認知症の症状が出始ます

そして奇声を発したり

最後には動けなくなり下の世話もおすぎの肩にかかります

途方にくれるおすぎ

頼りは嫁いだ姉だけ

 

その姉が、下の処理をしてくれるヘルパーさんを雇ってくれます

その年配のヘルパーさんの手際のよさに感心するおすぎ

 

このヘルパーさんにおすぎはこう尋ねます

 

「おっ母さんは自分を不幸だと思っているのかしら」

もはや、おまさは当たり前の感情すら持ち合わせていないと思っていたので、おしけの言葉は意外だった。

「もちろんだよ。

おなごの大事な隠しどころを晒しておむつを換えてもらうんだからね。

それだけは手前エでやりたいと思っていても、身体が言うことを利かない。

あんたのおっ母さんは、さぞ悔しい思いをしているだろう」

「そうね、その通りね」

言いながら、おすぎは不覚にも涙がこぼれた。

・・・

おしけの言葉は大いにおすぎの励みになった。

「くよくよしちゃ駄目だよ。

また、先のことを考えても駄目だ。

いつまで続くのかと考えたら気持ちがおかしくなるからね。

今日一日、無事に済んだらいいことにするんだ。

それと、病人をがんがん叱らず、できるだけ優しい言葉を掛けておくれ。

おっ母さんの喚きも、その内治まるだろう」

 

私もおしけさんに教えられました

介護はいつまでという期限がわからないから辛いんですね

後3年とか具体的にわかれば3年なら頑張れるって思うけどねえ

今のコロナ禍もそうでうね

一体いつ終息するのかしら何て思うと気持ちは凹みます

 

とりあえず今日一日無事に過ごせたことに感謝してやり過ごしていくことが肝心かもしれません

 

それにしても、宇江佐さんにはもっともっと書いて欲しかった!!!

 


てしごと

2020-04-14 20:18:40 | 読書

 

 

おんな職人日乗

「てしごと」

 

私の好きな女流作家さんが描いた「働く女性」のアンソロジー

江戸時代、女性が手に職を持って働けるということは、本当に稀だったんですね

そして大変なこと

 

やはり一番好きだったのは

西條奈加さんの

「姉妹茶屋」

 

ところで今更ジロウーですが

アンソロジーって何?

 

詩文の美しいものを選び集めた本

だそうな・・・

 

な~るほど

 


花唄の頃へ

2020-04-01 13:46:32 | 読書

 

今村翔吾著

くらまし屋稼業

「花唄の頃へ」

 

花唄の頃へは

くらまし屋稼業シリーズの6

 

シリーズを重ねるごとに面白くなっています

 

くらまし屋

とは

諸事情で江戸から逃げたい人を

条件付きでにがしてやる仕事

 

くらまし屋七箇条

1.依頼は必ず面通しの上、嘘は一切申さぬこと。

2.こちらが示す金を全て先に納めしこと。

3.勾引(かどわ)かしの類でなく、当人が消えることを願っていること。

4.決して他言せぬこと。

5.依頼の後、そちらから会おうとせぬこと。

6.我に害をなさぬこと。

7.捨てた一生を取り戻そうとせぬこと。

 

主人公、堤平九郎がこの裏稼業をやることになったのには

事情がある

が、まだその事情をシーズン6になっても詳しいことは知らされてない

 

今回の仕事は、平九郎が一人で仕上げた

いつもは、頭の切れる七瀬や、変装名人の赤也という仲間が手伝うのだが。

 

今回の依頼は、同じ仲間のむじな達とつるんで、やんちゃをしまくっていた放蕩息子の一人

 

親の威を借りて、やりたい放題

その報いを受けることになったのである

それもふたりから狙われる羽目に

 

 

その大馬鹿者を江戸からくらましている途中のくだり

 

先刻、蘭次郎が畑に寄り過ぎていたため、穴を掘って潜んでいる者がいるかもしれないと腕を引いた。

すると蘭次郎は、

流石に大袈裟ではありませんか?

などと言って苦笑したのだ。

これが玄人と素人の最も大きな違いかもしれない。

あれほど怯えていたにもかかわらず、たった二日旅をして襲ってこなかっただけで、すでに気が緩み始めている。

人はいかなる苦境にも順応しようとする生き物で、このようにすぐに慣れてしまう。

これは心への負荷を減らそうとする本能なのかもしれない。

だが、優れた玄人ほど恐怖を心に留めて薄れさせない。

恐れは備えを生む知恵の源泉だと解っているのだ。

 

 

若者にこの時期、出歩くなと言っても、出歩く姿を思い浮かべてしまいました

私たちも、恐怖を心に留め、3つの密に足を運ばないようにせねば

 

物語はせつないものがありました

「お彩は鼻唄を、花の唄と間違えてお覚えてな。

春以外に唄っちゃ駄目・・・と叱られた」

う~ん、せつない・・・

 

でも読後感は悪くはありません

お勧めのシリーズです

 


よろず屋お市 深川事件帖

2020-03-30 20:44:50 | 読書

くすっと笑える

げらげら笑える

しんみりする

ほろっとする

ぐぐぐと嗚咽するほど泣ける

 

そんな小説

おけら長屋14が3月25日に発売されました

 

でも、じっと我慢

図書館に出るまで、じっと・・・

 

新刊情報は

時代小説SHOW

というサイトで確認できます

時代小説ファンにはたまらないサイトです

 

そこで紹介されていた

誉田龍一著

「よろず屋お市 深川事件帖」

を読みました

 

 

初めての作家さんです

誉田(ほんだ)と読むんですね~

 

幼いとき両親を殺され、浮浪児のように生きていたお市

そのお市を腕利きの岡っ引き万七が引き取り育てます

 

護身術等もしっかり教えてもらいます

 

しかし、その万七も何者かに殺されてしまいます

 

お市19歳

 

又一人になったお市

 

万七は、ある時岡っ引きの仕事を失敗し、十手を取り上げられ

よろず屋を生業にしていました

お市は万七の後を継ぐことを決意します

 

なかなか上手くいかないときは

いつも万七の声が聞こえてきます

 

そして、色んなよろず事を解決していきます

 

女ひとり、一生懸命さが伝わってきて痛快です

 

事件帖2も出ました

 

でも、この作家さん、3月2日に亡くなられたんです

 

他の作品も読ませていただきますね

ご冥福をお祈りします

 

あ、志村けんさんも・・・・

凹むね~


せき越えぬ

2020-03-29 21:32:58 | 読書

 

 

西條 奈加著

 

「せき越えぬ」

 

この、せき越えぬの「ぬ」は完了の助動詞

 

せき越えた

ということになります

 

この物語のせきは

箱根の関所のこと

ここの関士となった武一が主人公

関所を通る人や、抜けたりする人々は時代小説でもよく読みますが

この関所を守る人の方から描いた小説は初めて読みました

 

色んな人生を抱えた人たちが通ります

関所の仕事は本当に大変です

 

真っ直ぐすぎる性格

直情的?

単細胞?

そこがとっても魅力的

 

そんな武一があることで落ち込みます

 

彼の弟が心配して話を聞きます

 

「兄上のやり方を、通せばよろしいのでは?」

「おれのやり方だと?」

「当たって砕けろが、兄上の得手でありましょう?」

「兄上なら、大丈夫ですよ。

一度や二度、砕けたところでものともしない。

たくましいお方ですから」

「あまり褒められておる気がせんのだが・・・」

「褒めておりますよ。父上も、同じように申されておりました」

「父上が?」

「本当に強いのは、負けない者ではなく、

何度でも立ち上がることのできる者だと。」

 

後半までは、関所の仕事のことや、通る人との関りや、若い仲間たちの話しだったのですが

 

最後にきて、身分の違いをこえた大親友の願いを叶えるために

危ない橋を渡る武一

 

ハラハラドキドキさせられます

 

一気読みしてしまう面白さです

 

やっぱり西條さんの作品はいいです

 

コロナことも忘れさせてくれること請け合いです

 


むかしむかしあるところに

2020-03-27 21:16:36 | 読書

 

 

すべての予定がキャンセル

仕事が休みの日、何をして過ごすか?

 

卓球もスポンジテニスもできないので

運動不足解消の為、歩くことにしました

 

今日は途中でウグイスの声がきけて

沈みがちな気持ちをホッとさせてくれました

 

で、歩いた後は読書

 

20年本屋大賞候補作

青柳 碧人著

「むかしむかしあるところに、死体がありました」

 

おとぎ話がミステリーに変身

太宰治の「御伽草子」をイメージしていたのですが

全く違っていました

 

殺人事件が起き、意外な人が犯人だったりするわけで

え~みたいな

 

目次

一寸法師の不在証明

 

花咲か死者伝言

 

つるの倒叙がえし

 

密室龍宮城

 

絶海の鬼ヶ島

 

 

一番好きなお話は

鶴の恩返しのパロデイー

女の健気さ怖さが見事です

 

こうなったら、

シンデレラ

白雪姫

人魚姫

等をやってもらいたいと強く強く思いました

 

さあ、コロナが終息するまで何冊読めるかな?

 

 


さぶ

2020-03-01 10:11:57 | 読書

山本周五郎 長編小説全集

全26巻 

2013年6月刊行

 

その中の第3巻

「さぶ」

を読みました

 

テレビでやっていたのをたまたま見て

これは原作を読まなくてはと思っていたら

県立図書館の新刊コーナーにこのシリーズが並んでいました

脚注がついていてとても読みやすいです

やっぱり山本周五郎さんの作品は素晴らしいです

読んでよかったとつくづく思いました

 

 

あらすじ

解説より

 

江戸下町の若い表具職人、栄二は、器用で俊敏、将来嘱望されていた。

だが、ある日突然、無実の罪を着せられ、人足寄場へ送られる。

陥れた者たちを呪い、自暴自棄になる栄二だったが、

同じ職人仲間で何をやっても愚鈍なさぶの、ひたすらな友情に励まされ、

少しずつ生きる勇気を取り戻していく。

しかしそこにも、たちの悪い男が現れて・・・。

栄二曰く、

「寄場であしかけ3年、おれはいろいろなことを教えられた、

ふつうの世間ではぶっつかることのない、

人間同どうしのつながりあいや、気持ちのうらはらや、

いきてゆくことの辛さや苦しさ、そういうことを現に、

身にしみて教えられたんだ」

厳しい試練に、必死で立ち向かう若い男女の友情と愛を、

切々と描いた逸品。

最後の最後まで、息がつけない、眼がはなせない。

 

付録に

特別エッセイ 山本周五郎と私

「人生の問い」

葉室麟さんが書かれています

 

 

表題はさぶですが主人公は栄二

そのさぶに何度も何度も泣かされました

 

でも、ひとつとっても残念だったのが

栄二を陥れたのは誰か?

これをテレビで見てわかっていたので

知らずに読めばもっと楽しめたかなと思いました

 

しばらく県立図書館は閉館

第5巻

柳橋物語・むかしも今も

を借りてきました

 

 

はやく憂いのない日々を過ごしたいですねえ

手洗い、手洗い