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小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

あしたの君へ

2019-12-02 22:49:45 | 読書

 

 

 

柚月裕子著

「あしたの君へ」

 

22歳の大地

裁判所職員採用総合職試験に合格

家裁調査官に採用された

 

この耳慣れない家裁調査官の仕事とは?

問題を抱えた当事者の背景を調査し、持っている専門知識を生かして

調停委員や裁判官をサポートしながら、紛争を解決へと導く

だそうです

 

見習い中の大地

 

難しい案件に接するたびに、自分はこの仕事に向いているのだろうかと悩みます

少年事件

窃盗の少女の窃盗した理由を追えば、意外な真実が潜んでいました

目に見えることだけが真実ではないということを身を持って学んできます

 

そして大地はこの仕事をすることによって

傷つき、悩み、その場に立ち止まったまま動けずにいる人が

半歩でもいいから歩き出せる力になりたい、と強く思うようになります

 

案件すべてが楽しい話ではないのですが

読後感がとてもいい本です

 

読んでよかったな~って思いました

 

シリーズ化してください

 


ブログ友が出版!

2019-11-25 21:54:17 | 読書

平林 勇一著

「あ、火の見櫓!」

火の見櫓観察記

 

ブログネームU1さんが本を出されました

 

ブログでずっと火の見櫓のことを書かれていました

それを一冊にまとめて出版!

その本がとっても話題になっているようです

 

この本、話題になるはずです

 

とっても写真が多いので、まず目で楽しめます

そして文章が簡潔です

U1さんの「透明タペストリー」で火の見櫓の写真や説明は見させていただいていました

で、私も火の見櫓が見たい!

と出かけてはきょろきょろとらしきものを探していました

しかし、一向に出会えません

で、ネットで「火の見櫓 大分県」でくぐっても

これというものは出てきません

なんでだろう、U1さんはこんなに沢山の写真を載せているのに

と、いつも思っていました

 

U1さんの地元長野県は日本一、火の見櫓が多いそうです

その理由はP25~P27に書かれていました

 

 

歴史小説が好きな私

小説の中にはこの火の見櫓がよく出てきます

その歴史についてもP28~で詳しく説明してくれています

 

 

 

本当にここまで読みやすく、わかりやすくまとめられてものだと感心します

 

U1さんが羨ましくも思います

好きなこと、興味があることを、追い求めて調べて

それをブログで発信して、その集大成として一冊の本を世の中に出す

 

これからも益々ご活躍の場を広げられることだと思います

U1さん、おめでとうございます

 

 


落花狼藉

2019-10-21 09:49:50 | 読書

 

 

朝井 まかて著

「落花狼藉」

 

朝井まかてさんの新書

8月25日発行

新聞の広告で好きな作家さんの新書やお気に入りのシリーズを見つけたら

大分市立図書館と大分県立図書館のホームページの新着一覧を常にチエック!

そこで入ったら予約を入れておく

 

こうすれば、割と早く読むことができます

 

やっぱり好きなことはマメにやれるんですね

だから結局好きなことが多い人ほど人生を豊かに過ごせるということでしょうね

 

話しはそれますが

私たちボランティアメンバーはひょんなことから

チアダンスもやることになりました

(最高齢86歳の方もいます)

団地の中の高齢者の方々とのふれ愛サロンが主なボランティアなんですが

 

チアダンスはもう3年くらいやっています

介護施設などで見てもらったりしています

 

個人的にはダンスや歌は不得手なもので

まあ、仕方なしという感じですが

ダンスが大好きというメンバーもいます

お一人の方は膝の調子が思わしくないのですが

踊っている間は楽しいから痛いのを忘れるって!

でも、家に帰って家事を始めるとたちまち痛くなるとか

 

あ、話を戻しますね

 

朝井まかてさんは14年に「恋歌」で第150回直木賞を受賞

その後、数々受賞しています

その中でも私が特に好きな本は

「福袋」

 

 

この「落花狼藉」の表紙の華やかさに目を奪われます

これは日本画家の黒川雅子さんが描かれていました

 

で、これは吉原の花魁さんの恋バナと思って手にとったのですが

大間違いでした

 

時代小説を読むと必ず出てくる

「吉原」

その吉原を作った人たちの話しでした

 

吉原の創設者、庄司甚右衛門の妻花仍

この花仍の目線で吉原を語らせます

 

朝井まかてさんの時代考証は流石です

花魁の衣装、花魁道中などに創意工夫をするところなどは

特に興味深ったですね

ドロドロ感がなく、最後まで一気読みです


P328より

いつか、この傾城町に桜を。

媚びず屈せず、咲かせておくれ。

落花狼藉の極みと謗られようと、吉原に嘘と真を見せるんだ。

爛漫と咲いて、散れ。


吉原の歴史を知るにはとてもいい本です


草笛物語

2019-09-30 09:42:59 | 読書

 

 

 

葉室 麟 著

「草笛物語」

 

あの「蜩ノ記」の16年後

羽根藩の赤座颯太は若い藩主、吉通の小姓

颯太が主人公なので

蜩ノ記の重厚さはないのですが、爽やかさと読みやすさは格別

 

戸田秋谷は人の心の中に多くのものを残していました

 

秋谷の息子、戸田順右衛門は這い上がるため

百姓の友、源吉の妹お春を裏切り、重臣の娘を娶る

そしてすべての感情を押し殺す

そのため「鵙」という仇名を付けられ恐れられていた

 

しかし、お春は今でも順右衛門を慕っていた

 

そんな父を案じる一人娘の美雪にお春はこう言います

 

「順右衛門様は本当におやさしい方なのです。

ですから、ご自分に厳しくしていないと崩れてしまうような気がするのではないでしょうか」

「それは父が、本当は弱いひとだ、ということなのでしょうか」

「いいえ、やさしさは弱さではないと思います。

やさしいひとはひとの苦しみがわかり、助けようとします。

そんなとき、相手がどれほど強くても恐れない心は、やさしさからもたらされるのだと思います」

「では、やさしさこそが強さなのだと言われるのですね」

・・・

ひとはいとおしく思ってくれるひとがいてくれれば、道を過たずに生きていける。

 

お春、美雪

 

颯太そして若き藩主、吉通のその後の活躍を描いて欲しかった

もう、無理か・・・・

 

宇江佐真理さんと葉室麟さん

あ~惜しいなあ

 


水底の橋

2019-09-27 20:13:02 | 読書

 

 

 上橋 菜穂子 著

「鹿の王 水底の橋」

 

2015年度本屋大賞受賞作

「鹿の王」

その先を描いた命の物語

 

鹿の王の続編だというので

 

「鹿の王」で活躍したヴァンとユナのその後の話しかと思ったら

オタワル医術に携わる医師ホッサルと恋人ミラルが中心のお話でした

 

異なる医術の攻防

次期皇帝をめぐる政争にも巻き込まれていきます

 

ホッサルは目の前の命を救うためなら、どんな手段でも使うべきだと考えるのだが

そんなことは許さないと死生観の違う人々が立ちはだかります

 

 

少し前読んだ「御薬園同心水上草介」の中でも

幕末が近づいていたころの

漢方、蘭学の戦いが描かれていました

 

最後ホッサルは

「中途半端に、ふたつの医術を統合する必要はないように思うです。

むしろ、互いが、互いにとって、

思ってもみなかった視点を持ち続ける方がずっと意味があるように思います」

 

互いを隔てていたものが消えたとき、はじめて、見えてくるものがある。

 

 上橋ワールドです

一気に読ませてくれます

 

 

 


ノースライト

2019-09-23 19:34:05 | 読書

 

 

 ずっと時代小説ばかり読んでいたので

少し違うのを・・・

 

図書館に予約していたのがやっと入りました

 

横山 秀夫著

「ノースライト」

 

内容情報 (出版社より)

横山ミステリー史上、最も美しい謎。

熱く心揺さぶる結末。

「64」から6年。

平成最後を飾る長編、遂に登場。

一級建築士の青瀬は、信濃追分に向かっていた。

たっての希望で設計した新築の家。

しかし、越してきたはずの家族の姿はなく、

ただ一脚の椅子だけが浅間山を望むように残されていた。

一家はどこへ消えたのか?

伝説の建築家タウトと椅子の関係は?

事務所の命運を懸けたコンペの成り行きは?

待望の新作長編ミステリー。

 

って、これを読んだら読みたくなりません?

 

 

今回は刑事じゃなく、一級建築士です。

渡瀬が建てた家は

ノースライトを採光の主役に持ってきます

彼の父親はダム建設の型枠職人

ずっと現場から現場に生活の場を移す「渡り」

 

表題の「ノースライト」とは

p29より

 

渡り歩いた飯場は、どこも不思議と北側の壁に大きな窓があった。

その窓からもたらされる光の中で、

本を読んだり絵を描いたりするのが好きだった。

差し込むでもなく、降り注ぐでもなく、

どこか遠慮がちに部屋を包み込む柔らかな北からの光。

東の窓の聡明さとも南の窓の陽気さとも趣の異なる、

悟りを開いたかのような物静かなノースライト。

 

 

自分が精魂こめて建てた家に住んでいない

なぜ?

あんなに喜んでくれていたのに

 

謎が解き明かされていく後半

ぐんぐん引き込まれていきます

 

建築物に興味のある方には特にお勧めです

 

お仕事小説なのですが

テーマは「家族」です

 

読後感のとてもいい小説です

 

 


亥の子ころころ

2019-09-17 19:52:19 | 読書

 

 

 

西條 奈加 著

「亥の子ころころ」

 

「まるまるの毬」

の続編

 

こちらを先に読んだほうがいいですね

お話が結構つながっています

 

 

亥の子ころころの帯に

味見してみちゃ、くれねえかい?

読んで楽しい人情という銘菓。

 


和菓子屋南星屋

店主の治兵衛と娘のお永、そして孫のお君で営んでいます

 

若い時全国を渡り歩き腕を磨いてきた治兵衛

南星屋は日替わりで全国のお菓子をアレンジしたのを2つ

手ごろな値段で提供しています

そして看板娘の可愛いお君ちゃんが

大きな声で店先でアピールします

 

どれもこれも美味しそうで

濃いお茶と一緒にいただきたくなります

 

店の前で倒れていた雲平という男を助けたところから物語が始まります

 

この雲平も偶然にも菓子職人だったのでした

 

治兵衛と雲平の職人の矜持がひしひしと伝わってきます

 

田牧大和さんの

藍千堂シリーズ

「甘いもんでもおひとつ藍千堂菓子噺」

「晴れの日には藍千堂菓子噺」

「あなたのためなら藍千堂菓子噺」

こちらも菓子職人のお話

どちらも美味しそうです

 

 

あ~それにしても朝ドラ

「おしん」

やっと佐賀から脱出成功

毎朝観るのがしんどくて

何度やめようと思ったことか

でも、田中裕子さんの演技がすばらしくて観てしまいました

もう、この佐賀でおしんも底をうったかな

 

その後の「なつぞら」に

「蛍草」の奈々を熱演していた清原果耶さんが出ています

彼女まだ17歳だって!

もうびっくり

彼女のこれからが楽しみ

田中裕子さんみたいな女優になってほしいなあ



濱次お役者双六シリーズ

2019-09-16 21:04:20 | 読書

濱次お役者双六シリーズ

田牧 大和著

第4巻

半可心中

 

第5巻

長屋狂言

 

 

2007年に「花合わせ」

で始まり

「質草破り」

「翔ぶ梅」

そして、半可心中、長屋狂言と続きました

 

この「花合わせ」で 第二回小説現代長編新人賞を受賞

田牧さんのデビュー作

 

 

主人公は、歌舞伎小屋「森田座」の名題下女形

梅村濱次

 

キラリと光る才能の持ち主なのに

本人はそれに気付いてなく、上昇志向などというものも全くゼロ

 

だがそんな濱次に期待をしている応援団が沢山います

 

最終巻 長屋狂言では

すっかり役を干されてしまった濱次が

自分の住む長屋のいざこざに巻き込まれ小芝居をすることに

 

そこで、やる気に火がつくという面白い流れになります

 

濱次にやる気さえあれば、そこは類まれな才能の持ち主です

多くの人々を魅了します

 

これであがりでは少し寂しいなあ

 

もう濱次と濱次の仲間に会えないと思うと・・・

 

 

田牧さんの本、やっぱり読みやすくていいな~

 


鯖猫長屋 ふしぎ草子(6)

2019-09-09 11:00:04 | 読書

 

 

田牧 大和 著

「鯖猫長屋 ふしぎ草子」(6)

 

田牧 大和(たまき やまと)さん

最初、男性作家さんだとばかり思って読んでいました

でも、違っていました

女性でした

 

市井ものを読むなら藤沢周平さんか宇江佐真理さんと思っている私

 

その宇江佐さんが生前

「時代小説は新人が花盛り。

その筆頭が田牧大和さんだ。」

と絶賛されていました

 

私も田牧さんの本、大好きです

 

鯖猫長屋シリーズも9月に7巻が発売されました

 

これが図書館に入るには数か月は待たなくては・・・・

 

今年3月に出た6巻がやっと図書館から順番きましたよメールが入りました

 

 

 

今回もやはり面白かったですね

 

特に長屋物が好きなもので・・・

 

猫好きは勿論のことそうでない人でも十分すぎるほど楽しめます

 

読むならやはり1巻からがいいかもしれませんね

なんせ猫がメインですから

 

特殊能力(?)を持つ鯖猫のサバが難事件を解決していきます

だから一応ふしぎ草子ってついてます

 

このサバの飼い主が、サバの絵を描いて生業をたてている絵描き拾楽

彼は、実は昔はねずみ小僧みたいな泥棒だった

 

が、今は足を洗ってこの鯖猫長屋に気を消してひっそりと住んでいるのですが

長屋の住人からあれやこれやと頼まれてしまいます

難事件も持ち込まれます

 

サバに尻を叩かれながら動く拾楽さん

時折、昔取った杵柄を使って

ここが結構かっこいい

 

そして、この長屋に住む気立てのいいおはまちゃんにも惚れられてしまいます


そのおはまちゃんに昔のことを知られてしまい

さてどうする拾楽さん


みたいな感じ



時代小説を読み漁っている今日この頃ですが

どこがいいか

何かためになっているのか


なんて愚問


面白ければいい


読んでいる間はその長屋の一員になって

やいのやいのって言ってます

これが楽しいんですよね


人間関係に悩んだり行き詰った時には自己啓発本を手に取ります

でも、近頃は人を悩ませても自分は悩んでないのか

そっち系の本には用がないようです

今は幸せってことですかね

 


花しぐれ

2019-09-05 22:04:53 | 読書

 

 

天気がパッとしません

 

晴れ渡った青空をずっと見ていないような気がします

 毎日、毎日しぐれています

 

 

「花しぐれ」

 

御薬園同心 水上 草介シリーズ 3作目

完結巻

 

あ~心優しい草介とおっとこまえの千歳さんに

もう会いないと思うと凄く寂しい

 

 

草木の効能が沢山出てとても興味深かったですね

 

インフルエンザや尿路結石や更年期障害やドライアイ等がでてきました

 

 

最後の章

「花しぐれ」

はハラハラしましたが

 

終わりよければすべてよし

 

1作目、2作目

そして3作目

 

草介が一人の大人として随分成長していきました

その成長過程をとても楽しく読みました

 

 

読後感のいい小説でした

 

 

梶よう子さんの本はどれも本当に好きです