東京都丸の内にある三菱一号館美術館では写真家の『ジュリア・マーガレット・キャメロン』の
展覧会が催されている。ジュリア・マーガレット・キャメロン(Julia Margaret Cameron)は
1815年インドのカルカッタ生まれのイギリス人であるが、写真家としてのキャリアは1863年、
彼女が48歳の時からで活動期間は約12年である。
彼女の写真を見ていると、アメリカの映画監督のD・W・グリフィス(D. W. Griffith)の
カットを想起させる。例えば、下の脈絡のない写真を並べて見てみる。
(『十字架の影(The Shadow of the Cross)』1865)
(『献身(Devotion)』1865)
まるでD・W・グリフィスが撮った『イントレランス(Intolerance)』(1916年)で使用された
モンタージュを思わせるのである。
(『イントレランス』のメエ・マーシュ(Mae Marsh)
あるいは群衆の写真なども、初期のサイレント映画のカットを彷彿とさせるのであるが、
グリフィスなどがジュリア・マーガレット・キャメロンから影響を受けたという証拠は
今のところないようである。
(『五月祭(May Day)』1866)
(『夏の日(Summer days)』1866)