MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ポッド・ジェネレーション』

2023-12-10 18:48:59 | goo映画レビュー

原題:『The Pod Generation』
監督:ソフィー・バーセス
脚本:ソフィー・バーセス
撮影:アンドリー・パレーク
出演:エミリア・クラーク/キウェテル・イジョフォー/ロザリー・クレイグ/ビネット・ロビンソン/ジャン・マルク=バール/キャサリン・ハンター
2023年/ベルギー・フランス・イギリス

妊娠の効率化について

 ニューヨークのハイテク企業で働くレイチェル・ノヴィと在野の植物研究者である夫のアルヴィーにはまだ子供がいなかった。アルヴィーには十分な収入がなく、優秀な社員として期待されているレイチェルは休職することができなかったのである。ところが卵型ポッドで妊娠をサポートするペガサス社にしていた予約の順番が回って来て、早速二人は子供を作るのであるが、様々な葛藤の末にペガサス社の規則に反して二人は「自宅出産」することを決断するに至るのである。
 設定のシュールさに比べるならば、ストーリーは淡々と進むのであるが、本作で何が言いたいのか勘案するならば、最後でテレビ番組に出演しているペガサス社の創業者が言うように、妊娠の効率化は、いずれは本来の顧客であるはずの赤ん坊の方が両親を好きなように選べるというところまで権利を追求することになるというアイロニーではないだろうか?
 ジ・インク・スポッツがエラ・フィッツジェラルドと組んで1945年にリリースした「アイム・ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト」を和訳しておきたい。

「I'm beginning to see the light」 Ella Fitzgerald & Ink Spots 日本語訳

僕は今まで月夜の空をこんなに気にしたことはなかった
僕は一度も蛍をまばたきで払い落そうとしたことはなかったけれど
今星々が君の両目に宿っている
僕には光が見えて来たんだ

僕は夕焼けやヤドリギに置かれたロウソクの炎を
楽しんだことなんて一度もなかったけれど
今君がランプの灯りを落とす時
僕には光が見えて来たんだ

以前の僕は公園をぶらつき
暗闇の中でシャドーボクシングをしていた
そんな時に君がやって来て
四回火災警報器が鳴るくらいの閃光が起こったんだ

僕はランタンの灯りで愛し合ったことなど一度もないし
僕は自分のワインで作った虹を見たことなど一度もないけれど
今君の唇が僕の唇を焦がしている
僕には光が見えて来たんだ

私は今まで月夜の空をこんなに気にしたことはなかった
私は一度も蛍をまばたきで払い落そうとしたことはなかったけれど
今星々があなたの両目に宿っている
私には光が見えて来たのよ

私は夕焼けやヤドリギに置かれたロウソクの炎を
楽しんだことなんて一度もなかったけれど
今あなたがランプの灯りを落とす時
私には光が見えて来たのよ

以前の私は公園をぶらつき
暗闇の中でシャドーボクシングをしていた
そんな時にあなたがやって来て
四回火災警報器が鳴るくらいの閃光が起こったのよ

私はランタンの灯りで愛し合ったことなど一度もないし
私は自分のワインで作った虹を見たことなど一度もないけれど
今あなたの唇が私の唇を焦がしている
私には光が見えて来たのよ

光が見えて来た
光が見えて来た
今あなたの唇が私の唇を焦がしている
私には光が見えて来たのよ

Ella Fitzgerald & Ink Spots - I'm beginning to see the light
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/crea/trend/crea-45410


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