MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』

2024-03-19 00:59:42 | goo映画レビュー

原題:『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
監督:成田洋一
脚本:成田洋一/山浦雅大
撮影:小林拓
出演:福原遥/水上恒司/伊藤健太郎/嶋﨑斗亜/上川周作/小野塚勇人/出口夏希/中嶋朋子/松坂慶子
2023年/日本

令和の反戦映画について

 想像以上に良く出来た作品だった。主人公の加納百合は令和5年6月、高校卒業後の進路に悩んでいる。担任の先生には成績が良いのだから大学進学を勧められるものの、百合が幼い頃、父親が溺れている子供を助けるも、自身が溺れてしまい亡くなったことから母親はパートを掛け持ちしており、経済的に余裕はなかったのである。そんな時に百合がタイムスリップした先は、1945年6月14日の日本で、百合を助けてくれた佐久間彰は特攻隊員だったのである。
 印象的なシーンを挙げるならば、百合がお世話になっている大衆食堂「鶴屋」のツルに頼まれてツルの着物と引き換えに野菜をもらってくるように言付かるのだが、途中で空襲に見舞われる。百合はツルのことが心配になって食堂がある炎上している方向に戻っていくのだが、倒れて来た建物の柱に足を挟まれてしまい動けなくなっているところに彰がやって来て百合は助かるのである。この時、百合は知ったのであろう。百合が自分が死ぬことなど考えずにツルを助けに行ったように百合の父親も子供を助けたということを。そして百合の父親は決して無駄死にではなかったが、特攻隊はやはり無駄死にであるということも。
 大規模な空襲後に「鶴屋」がまるで何事もなかったかのようにきれいに残っている部分に疑問を感じないわけではないが、それでも現代の反戦映画として良く出来ていると思う。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/otocoto/entertainment/otocoto-otocoto_120566


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