MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『マイ・ブロークン・マリコ』

2022-10-09 00:59:11 | goo映画レビュー

原題:『マイ・ブロークン・マリコ』
監督:タナダユキ
脚本:タナダユキ/向井康介
撮影:高木風太
出演:永野芽郁/奈緒/窪田正孝/尾美としのり/吉田羊
2022年/日本

漫画原作への忠実さが仇となった映画について

 小学生の時からの幼馴染みであるイカガワマリコが自宅のアパートから飛び降り自殺をしたことをテレビのニュースでラーメンを食べている時に主人公のシイノトモヨが知ったのは2021年の11月。それを機にトモヨがマリコの実家から遺骨を強奪してマリコが生きたがっていた「まりがおか岬」に向かうというのがおおまかなストーリーである。
 原作の漫画ならば違和感がないのであろうが、実写となれば描写しなければならないシーンは増えると思う。例えば、トモヨとマリコはずっと連絡を絶やすことがなく、ラインでもマリコは秒で返信してくるにも関わらず、何故トモヨはマリコの死をテレビのニュースで知ることになるのかよく分からないし、小学生の頃からマリコは父親に虐待されていたのに、実家を出て26歳になってマリコが急に自殺に至ったきっかけもよく分からないのである。
 そもそも実の父親から彼女の遺骨を強奪するくらいの恨みがあるのならばマリコが虐待されていることを知っているにも関わらず、何故トモヨは(あるいはマリコ本人でも)成人してからでも公的機関に訴えでなかったのかという疑問も生じてしまう。
 個人的には、実はトモヨは同性愛者なのだが、自分が同性愛者であることを認めることができない人物で、マリコを失ってからようやく自分自身を認められるようになり、それがトモヨの原動力になったように感じる。
 主人公のトモヨを演じた永野芽郁の熱演で辛うじて救われている作品である。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-144645


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