MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『カラダ探し』

2022-10-22 22:47:55 | goo映画レビュー

原題:『カラダ探し』
監督:羽住英一郎
脚本:土城温美
撮影:一坪悠介
出演:橋本環奈/眞栄田郷敦/山本舞香/神尾楓珠/醍醐虎汰朗/横田真悠/柳俊太郎/西田尚美/柄本佑
2022年/日本

心を開かせる「ショック療法」について

 主人公で高校生の森崎明日香は友達もおらず、毎日の昼食も外で一人で食べていたのだが、2022年7月5日を境に環境が一変してしまう。夜中になってLINEのメッセージをきっかけに明日香が訪れた礼拝堂には伊勢高広、浦西翔太、鳴戸理恵、柊留美子、清宮篤史も集められていたものの、同じクラスメイトであるにも関わらずお互いのことを良く知らずに「赤い人」に次々と殺されていくのだが、翌朝になると何事もなかったかのようにリセットされていて、不登校の清宮以外は普通に高校に来る。
 どうやら「カラダ探し」で全パーツを集めない限り、ループが終わらないことが分かり、全員で協力して体を探すことになる。つまり本作は心を閉ざしている若者たちが同じ目的を持って力を合わせることで心を開くことができるのであり、それは「カラダ探し」でなくても、例えば文化祭のお化け屋敷の運営でもいいのではあるが、強制されなければなかなか心は開けないという事実はあると思う。しかしルールとして「カラダ探し」をコンプリートした翌日は7月6日になっており6人はそれまでのことを忘れてしまうのである。そこで明日香の記憶を呼び起こすものがあるのだが、それは言わずもがなであろう。
 本作に登場する“それ”が同時期に公開されている『“それ”がいる森』(中田秀夫監督 2022年)の“それ”とそっくりなのが興味深いのだが、『“それ”がいる森』が中途半端なホラー映画でしかなかったのに対して、本作は高校生たちが自分たちの「実存」を賭けただけ見応えはあると思うが、“それ”との戦いがどうももたもたしていて、例えばもう少しチェーンソーを上手く使えばもっと早く戦いは終わった感じがする。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/otocoto/entertainment/otocoto-otocoto_80939


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