MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『MINAMATA―ミナマター』

2021-09-26 00:58:45 | goo映画レビュー

原題:『Minamata』
監督:アンドリュー・レヴィタス
脚本:デヴィッド・ケスラー
撮影:ブノワ・ドゥローム
出演:ジョニー・デップ/真田広之/美波/國村準/加瀬亮/浅野忠信/岩瀬晶子/ビル・ナイ
2020年/アメリカ・イギリス

「美しさ」で失われる怨念について

 アメリカの写真家であるユージン・スミスの視点から見た熊本県の水俣病の状況を描いたという点においては本作は評価されるべきだと思うのだが、土本典昭監督のドキュメンタリー映画『水俣一揆 - 一生を問う人々 -』(1973年)を観ている者としては被害者が大人し過ぎて、「一揆」というタイトルまで付された闘争が感じられない。
 スミスの家が放火に遭い、炎上している中をスミスはフィルムを取りに入っていくのだが、何も持ち出せないまま出てくる。その後、チッソ工場の入り口で従業員たちの暴行に遭って重症で入院しているスミスの元に小包が届けられ、中には焼失したと思われたスミスの家にあったフィルムが入っていたのだが、これほど重要なアイテムであるはずのフィルムに関して、スミスが火事場でフィルムが無くなっていることに気がついていたのかどうかよく分からない。要するに脚本が御座なりになっている気がするのである。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-92650


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