原題:『祈り一幻に長崎を想う刻一』
監督:松村克弥
脚本:松村克弥/渡辺善則/亀和夫
撮影:髙間賢治
出演:高島礼子/黒谷友香/田辺誠一/金児憲史/村田雄浩/柄本明/美輪明宏
2020年/日本
戦中でも衰えない性欲について
本作を観る個人的な理由として、何故長崎の浦上天主堂が広島の原爆ドームのように原爆遺構として残されなかったのか長い間疑問に思っていたからなのだが、本作を観てキリシタンの弾圧が江戸時代よりも明治時代の方が酷かったという事実を知り、まだカトリック信者に対する差別意識が戦後も残っていたのだと理解した。
しかしそれならばそもそも何故アメリカは日本におけるクリスチャンの聖地である長崎をわざわざ選んで原爆を投下したのかはまだよく分からない。
主人公の鹿の夜の客である多良尾が語った「日本でも原爆を開発している」という話は『太陽の子』(黒崎博監督 2021年)で描かれているのだが、その鹿が昼間に看護師として担当していた被爆患者の新藤が死ぬ間際に鹿の乳房を触るシーンと、原爆投下直後の爆心地で次五郎が忍が形見にしていたダイヤの指輪を盗み強姦するなど、セックスにまつわるエピソードは胸が痛む。
しかし最後でマリア像が語り出したあたりから完全にファンタジーになってしまい白けてしまった。
gooニュース
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